インドが古いT-72戦車に代わる将来即応戦闘車両FRCVの開発を承認

インドが古いT-72戦車に代わる将来即応戦闘車両FRCVの開発を承認
Arjun Mk1A(DRDO)

インド国防省は老朽化したT-72M Ajeya戦車に代わる次世代戦車である将来即応戦闘車両FRCV(Future Ready Combat Vehicle)の開発と生産を承認しました。

ロシアとウクライナとの戦争で主力戦車が現代の戦場でも極めて重要であることが証明されていることから、インド陸軍は将来即応戦闘車両(FRCV)プロジェクトの下で新世代の「未来型戦車」を調達することを検討していました。今回、このFRCVが正式に承認され、プロジェクトがスタートします。2030年からの導入を予定しており、まずはプロトタイプ開発に最大70%の政府資金が提供されます。今回、生産が承認されたのは590両ですが、最終的には1700両以上が生産される可能性があります。

T-72M Ajeyaに代わる次世代戦車

インドはT-72M Ajeya戦車の後継として1770輌のFRCVを導入する予定です
T-72M Ajeya(DRDO)

インド陸軍の主力戦車は間もなく改良型のMk1Aを迎える国産のArjun(アルジュン)とソ連/ロシアで開発され、国内でライセンス生産されたT-72M AjeyaとT-90Sで構成されています。アルジュンの数が現状200両程なのに対し、T-72は2400両、T-90は1000~1500両程と大半を占めており、T-90Sについてはまだ生産が続いているので、最終的には2000両を超える予定です。T-72は導入から既に40年が経過して老朽化しており、インドはこれを最新鋭の戦車に置き換える必要があると考えており、そこで、検討が始まったのがFRCVになります。

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スペック

FRCVは最近のトレンドであるモジュラー式を導入する予定で、主力戦車以外にも架橋戦車、自走榴弾砲、自走防空砲、砲兵観測車・工兵偵察車、装甲救急車など11種の無限軌道車両として運用できるプラットフォームして開発する計画です。

重量は55トンと40トン代のT-72、T-90よりも重くなりますが、高出力の1500馬力のエンジンを搭載します。主砲は120mm口径以上を予定。T-72とT-90はロシア規格の125mm滑腔砲ですが、アルジュンでは120mmライフル砲を採用しており、このどちらかの規格になると思われます。主砲はAPFSDS、HEAT、HEAT-MPの3種類の弾薬と対戦車ミサイルの発射可能で直射で5,000m、曲射で10,000mの射程を擁する必要があります。装填手を含む4人乗りのため、自動装填装置はありません。新しい射撃管制システムはAIを搭載、自動追跡・照準システムにより精度が向上。戦術ネットワークと連携し、他部隊の情報もリアルタイムで共有されます。

小型ドローン、無人戦闘航空機(UCAV)、徘徊兵器などの急増により、空中からの脅威が戦車にとっての最大の課題なったなか、FRCVには、飛来する発射体を破壊、または逸らすためのソフトおよびハードキルシステムを備えたアクティブ保護システム(APS)が搭載されます。その他、爆発反応装甲、15kgのTNTを搭載した地雷にも耐えられる装甲を備え、車体は赤外線やサーマルからの検知を50%削減するステルス性能も付与されます。

また、インドは同じくソ連/ロシア製のBMP-2歩兵戦闘車に代わる新しい戦闘車両FICVのプロジェクトを進めています。

Source

India Approves Development Of 500 Future Ready Combat Vehicles (FRCV) To Replace Aging T-72 Tanks (thedefencetimes.com)

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