イランの報道機関FARSが2020年8月13日に報じたところによると、イランのハタミ国防相は、同国軍が使用しているT-72S主力戦車 (MBT) のアップグレード、近代化改修に向けた特別の生産ラインを設けることを明らかにした。
イランは電子光学式火器制御システム、レーザー距離計システム、弾道コンピューター、昼夜を問わず固定目標や移動目標に向けて射撃するシステムを装備した戦車を製造する能力を有していると述べ、陸軍の上層部と国防省の専門家はすべての主要戦車を近代化改修させることを望んでいる。
アップグレードの内容は?
T-72は1971年にソビエト連邦が開発した2.5世代戦車。イラン軍の保有するT-72Sは、ロシアのニジニ・タギル社が輸出用に製造したものでアップグレードされたT-72Bをベースにしており性能が1.7%と向上し、爆発反応装甲が追加されている。T-72Sの武装には主砲に125mmD-81滑空砲、副武装に7.62 mm同軸機関銃、12.7 mm対空機関銃。主砲の搭載弾数は45発、そのうち22発は自動装填装置で装填される。現在イラン軍はT-72Sを565両保有している。
今回のアップグレードでは、改造されたコマンダーキューポラの後部には新しく遠隔操作兵器ステーションが装備される。車体には新しい発射制御システムと、砲手ハッチの前部に光学機器が取り付けられるようだ。主砲といった武装は維持される。防御面においては砲塔の周りと車体の前部に爆発反応性装甲を含む新しい装甲パッケージが追加される。各側面には装甲板が追加されているほか、対戦車誘導ミサイルに対する防御を強化するスラットアーマーが装備される。
ソース
https://en.farsnews.ir/newstext.aspx?nn=13990523000558
https://www.israeldefense.co.il/en/node/44738