戦車部隊を持たないバルト三国のリトアニアはドイツから50両のレオパルト2戦車を購入する計画を立てており、新たに3個旅団と戦車大隊からなる機械化師団の創設を計画している。実現すれば、リトアニア初、バルト三国初の戦車部隊の誕生になる。
リトアニア大統領国家安全保障上級補佐官ケンストゥティス・ブドリス氏によると、リトアニアは総額20億ユーロ(3100億円)の予算をかけてドイツから50両の主力戦車レオパルト2を購入する計画だという。20億ユーロは戦車のコストだけでなく、弾薬、兵站、物資も含めての予算になる。どのバージョンを購入するかは明かされていないが、おそらく、最新のレオパルト2A8と思われる。ドイツは今年5月に30年ぶりの新規生産として、レオパルト2A8の開発を決めており、チェコも購入を計画している。リトアニアは開発生産元のKMWと購入意向書の署名に向けて動いているされる。戦車の候補にはアメリカのM1A2エイブラムス、韓国のK2ブラックパンサーも候補に上がっていたが、レオパルト2に軍配が上がった。選択に至った理由として同国のアルビダス・アヌサウスカス国防相は「決定の主な評価基準は、コストとメンテナンスコスト、運用環境、機動性、保護、適応性、保護、火力、接続性であった」と述べている。エイブラムスの運用コストはレオパルト2の1.5倍高いとされ、K2はポーランドでしか採用されていない。それに対し、レオパルト2はNATO加盟国14カ国を含む23カ国の軍隊で運用されている。
Bundeswehrドイツ政府は、ウクライナへ供与したことにより減少した戦車戦力を補充するために、18両のレオパルト2A8戦車と 12両のPzh2000自走榴弾砲の購入を承認しました。ドイツメディアの報道によれば、ドイツ議[…]
リトアニア初の戦車大隊
バルト三国の小国であるリトアニア軍には戦車部隊が存在しない。その代わりにドイツ軍のレオパルト2やアメリカ軍のM1A2エイブラムスといったNATO軍の戦車部隊が駐留している。この状況は他のバルト三国のエストニア、ラトビアでも同様だ。リトアニアが戦車部隊を創設すれば、リトアニア初だけではなく、バルト三国初にもなる。部隊は3個旅団と戦車大隊からなる機械化師団になり、師団には120両を調達するボクサー歩兵戦闘車なども含まれる。
ロシアに隣接するバルト三国は対ロシアの最前線であり、リトアニアはロシアの飛び地カリーニングラード、そして、ロシアの同盟国ベラルーシと国境を接している。リトアニアの動きは今後、エストニア、ラトビアの軍備にも影響を与えるかもしれない。