ロシア軍、輸出用のT-90S戦車まで戦線に投入

indian Army

おびただしい数の戦車を失っているロシア軍はとうとう禁断の手法として輸出用に製造したT-90S戦車まで徴収し、戦線に投入しています。

ディフェンスブログの報道によるとSNSで投稿されているロシア軍戦車の中にいくつかT-90S戦車が映し出されていると報告しました。T-90は、T-72戦車をベースに、T-80戦車の先進技術と新技術を用いて開発した第三世代戦車で1992年に配備が始まり、ロシア軍が実戦配備する戦車としては最も新しいシリーズになります。とはいえ、既に30年が経つこともあり、何度か近代化改修がほどこされ、2000年代に開発された改良型のT-90Aが現在のT-90系の主力です。また、先日、ウクライナ軍に鹵獲されたT-90Mなどは2020年に就役した戦車で第三世代戦車としては屈指の性能を擁すると称されていました。

T-90Sとは

そのT-90シリーズの輸出版として開発されたのがT-90S戦車になります。T-90Sの最大の輸入国はインドになり、インド版では改良された射撃管制システム、自動装填装置、更に主砲は新しい51口径2А46М-4 125mm滑腔砲に換装され、9K119M「レフレークスM」誘導ミサイルが発射可能に。砲塔には遠隔操作に対応した機関銃も搭載。電子システムもアップグレードされ指揮官は戦闘の全体像を把握でき、エンジンも強化され、出力・制御性が向上しています。

T-90A(mod russia)

しかし、T-90SはT-90Aのモンキーモデルになり、T-90Aに標準搭載されているレーザー誘導妨害装置である赤外線防護システム「Shtora-1」がありません。戦車の目のような「Shtora-1」はT-90Aの特徴であり、これがない、T-90が発見されたことから、T-90Sと判明しました。またレーザー警告システムも搭載されておらず、T-90Aと比較するとT-90Sの防御能力は大幅に下がっています。ただ、その変わり価格が安くなっています。インドは国内でライセンス生産していることもあり、国産の複合装甲を追加するなどして補っています。インド以外ではベトナム、アルジェリア、トルクメニスタン、ベネズエラが輸入国であり、今回、ロシア軍で使用されたのはこれらの国のために製造されたT-90S、若しくは、近代化改修ためにインドが2021年にロシアに送ったものであるという報道もあります。

もし、納入予定であった、またはインドが送った戦車を顧客に引き渡さずに徴収したということであれば、重要な顧客を失いかねない行為です。しかし、それだけで切羽詰まっていると表れでもあります。ウクライナもロシアの侵攻によって輸出用に製造していた兵器を自軍に編入していますが、侵略された側と侵略した側では事情が違います。

Source

https://defence-blog.com/russia-uses-t-90s-tanks-originally-bound-for-export-customers/

広告
最新情報をチェックしよう!