新型戦車の配備が進まないロシアは半世紀前のT-62戦車を使い続けます

新型戦車の配備が進まないロシアは半世紀前のT-62戦車を使い続けます

最新鋭の性能を有するT-14アルマータ戦車を開発するなど世界の戦車開発をリードする戦車大国ロシア。1万輌以上の戦車を保有しているとされています、保有している戦車の半分は1970年代に登場したT-72を含む半世紀前に開発された戦車とされています。その中には1950年代に開発され、1962年から軍に採用されているT-62もあります。T-62は2013年にロシア軍から退役することが決定しましたが、新型の戦車の生産、配備が思うようにいかず、未だに現役です。

T-62戦車

T-62は前モデルのT-55を発展開発されたモデルで1957年にプロトタイプが登場。当初はT-55と同じ100mmライフル砲を搭載するも、1962年の量産モデルではより強力な115mm滑空砲が搭載。滑空砲を搭載した主力戦車としては初であり、これは当時の米軍の主力戦車であったM48/M60パットンの105mmライフル砲よりも強力でした。1970年代末に生産を終了しますが、それまでに計22,000輌を生産。これはT-72の25,000輌に次ぐ多さです。北朝鮮などの第三国でのライセンス生産は1989年まで続いており、現在も北朝鮮、中東、旧ソ連の国々で運用されています。最近でもアフガニスタン、シリアでの紛争に使用されています。

T-62の近代化

T-62アップグレード
Hellfire555 / youtube.com

T-62以降、ロシア(ソ連)ではT-72、T-80、T-90、T-14など次世代の戦車が続々登場。戦車の世代交代を進めるロシアは2013年に稼働状態の150輌を含め、約1000輌あったとされるT-62の退役を決定。車輛は解体、もしくは海外に販売され、アップグレードされたT-90MとT-14と配置換えされる予定でした。しかし、T-90Mの開発、T-14の量産が遅れ、その上価格が高くなってしまったことが影響し、退役、交換は一向に進んでいません。2018年以降も度々演習に参加、2021年9月には第103装甲修理工場が近代化アップグレードされたT-62を発表。赤外線カメラ、レーザー距離計など新しい電子光学・照準システムが搭載され視界が2000mに拡大、Kontakt-1爆発反応装甲やスラット装甲の追加など防護やエンジンもアップグレードされました。開発から半世紀以上経つT-62はまだしばらくロシア軍内で運用されることになります。

https://rg.ru/2021/09/01/tank-boec-t-62m-poluchil-teplovizor-i-razvedyvatelnoe-oborudovanie.html
https://defence-blog.com/russias-cold-war-era-t-62-tank-still-in-service/

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