スペインがウクライナにレオパルト2A4戦車40両を提供へ

スペインがウクライナにレオパルト2A4戦車40両を提供へ
Photo NATO

スペインがウクライナへの追加軍事支援として、ドイツ製の第三世代戦車”レオパルト2A4”、40両の提供を計画していることが分かりました。提供されれば、これまでウクライナに提供された戦闘車両の中で最も高度な車両になります。

10年間保管されていた車両を提供

spanish army

ロイターの報道によればウクライナへの追加軍事支援として、MBDA製の中距離地対空ミサイル「アスピーデ」。そして、ドイツ製の主力戦車レオパルト2A4、40両を提供する準備ができています。スペイン陸軍の主力戦車はレオパルト2A6をベースにした219両のレオパルト2Eになり、108両あるレオパルト2A4の半分の54両は兵站基地に保管され、10年間眠っています。提供される40両はこの保管された車両の中からになり、スペイン陸軍としては戦力低下にはなりません。

しかし、これまでポーランドやスロバキアが提供してきたソ連製のT-72戦車とは異なり、完全に西側ベースの戦車についてはT-72戦車以上の訓練期間が必要です。今回の軍事支援には戦車の扱い方について不可欠な訓練をウクライナ軍に提供することも含まれています。最初のステップはバルト三国のリトアニアで行われる予定です。ここには対ロシア・プレゼンス強化のNATO作戦の一環としたスペイン軍500人とレオパルド2Eが配備されており、まずは彼らによってウクライナ兵に訓練が行われます。そして、第二段階としてはスペイン国内で訓練が行われ可能性があります。訓練には最短でも1か月以上は必要と思われます。更に長期保管していたため、整備にも一定時間がかかることから、提供は早くて8月以降になると思われ、戦いの長期化を見据えた支援ということが分かります。そして、レオパルト2はドイツ製のため、第三社への提供には最終的にドイツ政府の承認が必要です。ロシアの侵攻当初、ドイツは各国からのこの手の兵器の軍事支援要求は拒否してきましたが、最近は自国が自走砲や装甲車といった重火器の提供に踏み切るなど、柔軟になっており、承認は速やかに進むと思われます。

レオパルト2A4

レオパルト2は西ドイツで開発が始まり1979年に量産が始まった第3世代の主力戦車です。レオパルト2A4はシリーズで最も生産されたモデルで現在A7まで近代改修されたレオパルト2の基本ベースとなる車両です。スペインは1990年代にドイツから中古108両を購入しています。主砲の120mm L44滑腔砲はAPFSDS-TとHEAT-MP-Tの2種類の弾薬を発射。合計42発の弾薬を搭載し、27発がドライバーの左側に、15発が砲塔のバッスルの左側に保管され、電動ドアによって戦闘室から分離されており、ロシア製戦車のようなビックリ箱の心配がありません。副武装に同軸7.62mm機関銃、ハッチにも7.62mm機関銃が搭載されています。デジタル射撃統制システムとフラットなチタン/タングステンの複合装甲を備えた改良型砲塔を搭載する近代的な戦車になります。自動装填装置は無く、装填手を含めた4人で運用します。1500馬力のディーゼルエンジンは最高速度で72km/hで550kmを走行します。

Source

https://www.reuters.com/world/europe/spain-deliver-anti-aircraft-missiles-tanks-ukraine-el-pais-2022-06-05/

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