ロシアのロストフ地域のカダモフスキー訓練場で新しい対戦車ミサイル防衛システムを搭載したT-72B3が登場した。
登場したT-72B3には砲塔トップに一般的な戦車に見られないルーフトップバイザーが取り付けられている。見た目は日差しから護るためのサンバイザーのようで、取ってつけた感が否めず、戦車の装備としてはお世辞にもカッコよいとは言えない。だが、これは、戦車の弱点である砲塔ルーフトップを攻撃から保護するために装着された新しい対戦車ミサイル防衛システムになる。
トップアタックから保護
戦車の装甲は基本、前面装甲が一番厚くなっており、その次に砲塔側面など狙われやすい、攻撃が当たりやすい部分から装甲が強化されている。更にT-72の装甲は複合装甲、その周りには爆発反応装甲のKontakt-5が装着されており、破壊することは容易ではない。そこで、米軍などでは戦車で一番装甲が弱い上面を狙う事を考案。米軍のジャベリン対戦車ミサイルには”トップアタック”というモードがあり、戦車の手前で上空に上がり、真上から弱点である上面を攻撃する。また、最近流行りの自爆ドローンもアルメニアとアゼルバイジャンとの紛争でトップアタックの有効性を示した。T-72B3に取り付けされたバイザーはこれらのトップアタック攻撃から保護することを目的とした装備になる。
支柱は貧弱で装甲も薄く見えるが、このバイザーの目的は対戦車ミサイルを完全に防ぐというよりも、主装甲に衝突する前にミサイルやドローンの成形炸薬を起爆させ、主装甲へのダメージを軽減させることを目的としている。トップアタックを受けても一度の攻撃では行動不能には陥らず、乗員を保護。引き続き任務をこなすことができる。
戦車兵の間では”サンバイザー”とも呼ばれており、その名の通り、砂漠や炎天下などではハッチから身を乗り出す戦車長を太陽光から護ってくれ、降雨時は雨を遮る効果もあるとされる。しかし、全高も高くなるので隠蔽率は下がり、敵からは発見されやすくなるだろう。
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https://mundo.sputniknews.com/20210619/para-que-obtuvo-el-tanque-t-72b3-esta-gorra-1113374655.html