対戦車ミサイルとして有名な「Javelin(ジャベリン)」。このジャベリンの新しいロゴが公表され、これまでのロシアのT-72戦車から中国の99式戦車に変更されたのが明らかになった。
LM & Raytheon:“Javelin Anti-Tank Missile is Chinese type 99 killer” pic.twitter.com/HUEvaE0uUQ
— 笑脸男人 (@lfx160219) February 16, 2021
ジャベリンのロゴはロシアのT-72戦車だった
FGM-148 ジャベリンは装甲車両、建物の破壊、ヘリといった低空の飛行体を攻撃できる誘導ミサイル。完全な「撃ちっ放し」(ファイア・アンド・フォーゲット)機能、ロックオン・自律誘導能力を有する。歩兵携行式、車両搭載式があり、米軍をはじめ20カ国以上の軍に配備されている。
そもそも、ジャベリンのロゴを把握している人は少ないと思う。対戦車ミサイルであるジャベリンのロゴはその標的となる戦車をロックオンして、ミサイルが放たれた様子を描いている。ジャベリンは米ソの冷戦中の1983年に開発が始まり、1996年に米軍に配備された。配備されたのは冷戦後になるが、それでも、米国にとっての最大の脅威はロシアであり、当時のロシア、及び敵対する中東の国々の主力戦車の大半がT-72戦車だったこともあり、ジャベリンのロゴには標的となるT-72戦車のシルエットが採用された。ソ連・ロシアはT-72以降もT-80、T-90と新しい戦車を開発しているが、主力戦車の半数に近い1000輌ほどが未だT-72だ。現在は最新モデルの第4世代のT-14アルマータ戦車の生産が進められているが不具合、予算不足もあり、量産は進んでいない。
ロシアよりも中国が脅威に
ロシアは未だに米国にとっての脅威・仮想敵国だが、それ以上に脅威となったのが中国だ。軍事力こそ、米国、ロシアに次ぐ三番目になるが、ロシアを抜くのは時間の問題だ。中国の兵器の性能は向上し、ロシアの兵器を上回りつつある。品質に関してはまだ不明瞭な部分が多いが、高い経済力を背景に兵器の近代化を急速に進めており、近代化の速さはロシアを上回っている。覇権主義、領土拡大の野心を隠さず、影響力を拡大しており、安全保障上でも最大の脅威だ。そこで、ジャベリンを開発生産するレセイオンとロッキード・マーティンは現在の状況に照らし合わせ、ロゴの戦車をロシアのT-72から中国人民解放陸軍の主力戦車である99式戦車に変更した。
ジャベリンはこれまで99式戦車に使用されたという記録はないが、今後、ロゴの通りに標的になることは訪れるのだろうか?