ウクライナ、M1エイブラムス戦車にも爆発反応装甲を追加

アメリカから供与されたM1A1エイブラムス戦車がいよいよウクライナの戦線に登場する。登場したウクライナ軍仕様のエイブラムスにはアメリカ軍でも中々見る事のないカスタマイズ「爆発反応装甲(ERA)」が追加されていた。

M1A1エイブラムスは昨年1月にアメリカからウクライナへの供与が決まり、同年9月末には最初のバッチがウクライナに送られ、10月中旬頃までに31両全部がウクライナに納入されていた。しかし、その後、エイブラムスが戦場に現れたという情報はなく、国内で訓練が続いていた。そして、今回、満を持して、いよいよM1A1エイブラムス戦車がウクライナの戦線に登場する。そして、お披露目されたのがウクライナ軍使用のM1A1SAエイブラムスだ。

ウクライナ軍のM1A1エイブラムスには他ではあまり見られないカスタマイズが施されている。それが、サイドスカートに追加された爆発反応装甲(ERA)だ。ERAはソ連/ロシア系戦車でよくみられる追加装甲で、もともと装甲が強固な西側製戦車で見ることは少ないが、ウクライナ軍はドイツ製のレオパルト2A4戦車にERAを追加しているのが確認されている。

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M-19 Abrams Reactive Armor Tile (ARAT)

M-19 Abrams Reactive Armor Tile (ARAT)
©2024 Ensign-Bickford Aerospace & Defense Company

レオパルト2にはソ連によって開発されたKontakt-1を追加した西側と東側のミックスだったが、ウクライナ軍のM1エイブラムスに装着されているのはエイブラムス用に開発された「M-19 Abrams Reactive Armor Tile (ARAT)」と呼ばれる純正品で、中東の市街地での戦闘環境用にアメリカによって開発された。2006年のイラクで初めて使用され、その後アフガニスタンでも使用されている。M19は、約500 ~550mmのRHA貫通弾から戦車の側面を保護できる。敵砲弾からの保護はもちろんだが、ウクライナでは自爆ドローンから履帯を保護する目的もある。強固な装甲を持つエイブラムスとはいえ、履帯部分は弱く、そこを破壊されれば行動不能になる。ウクライナ軍はロシア軍の自爆ドローンによってこれまで多くのレオパルト2を行動不能にされており、その対策になる。ARATの保存寿命は20年間になるので、アフガニスタンから撤退した米軍にとってはARATは無用の長物になっていたので、寿命を迎える前に活きる場ができた形だろう。

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