ドイツの軍需企業がウクライナにマルダー歩兵戦闘車とPzH2000自走榴弾砲の提供を提案するも…

Marder IFV Bundeswehr

ウクライナはドイツに更なる軍事支援として軍事車両の提供を求めています。ドイツの複数の軍需企業はウクライナへの支援として軍事車両の提供を提案しており、同国最大の軍需企業であるラインメタル社はマルダー歩兵戦闘車(Marder IFV)を。主に地上車両を開発生産するKrauss-Maffei Wegmann(KMW)はPzH2000自走榴弾砲の提供をドイツ政府に打診しました。

マルダー歩兵戦闘車の提供について

Marder IFV Bundeswehr

ウクライナのmil.in.uaの報道によれば、最初にラインメタルがドイツ政府に対し、ドイツ連邦軍の在庫から直ちにマルダー歩兵戦闘車両35両をウクライナに輸送する計画を提案しました。ウクライナのニーズに合わせて改修するため、納入は2022年末までかかりますが、15両は早ければ4月中に納入が可能です。

マルダー歩兵戦闘車は1970年代から西ドイツ軍で運用されており、機械化歩兵の主要車両です。乗員3人と6名の兵士を搭乗させることができます。武装にはMk.20 Rh202 20mm機関砲と7.62mmMG3機関銃、フランスとドイツの間で開発された対戦車誘導ミサイルシステムMilanを搭載。正面装甲は200mの距離から20 mm~25 mm弾を、側面は7.62mm弾、榴弾の破片を防ぎます。古いマルダーはラインメタルとKMWが生産する後継のプーマ装甲歩兵戦闘車に更新が始まっており、失うマルダーは退役したマルダーをオーバーホールして再配備するか、新しいプーマで損失を補償すると提案しましたが。ドイツ国防省は配備中の車両もあることからこれを拒否しました。また同社は同じくウクライナ支援のためにドイツ国防省からBMP歩兵戦闘車用の弾薬400万発を購入する打診を3月下旬行いましたが、まだ回答は得られていません。

PzH2000自走榴弾砲の提供について

Bundeswehr

KMWはウクライナに100両のPzH2000自走榴弾砲を提供するようにドイツ国防省に提案しています。

PzH2000は1998年からドイツ連邦軍で運用されている自走砲で52口径155mm砲を搭載、最大射程距離は標準弾で40km、射程延長弾を使用した場合、射程距離は54kmに達します。搭載弾薬数は60発、10秒間に3発、または56秒間に10発を発射します。レオパルト2戦車のコンポーネントとシャーシに基づいて開発されています。

ウクライナのために新しいPzH2000を生産するとなると30か月かかり、早くとも最初の納品は2024年後半になります。100両全部となると2027年になり、さすがにその頃には戦争は終わっていると思われます。ドイツ軍には計410両が納入されており、ここから100両をウクライナに送ればいいのですが、これをドイツは渋っているされ、拒否される可能性が高いとされています。

KMWはロシアによるウクライナ侵攻が始まって直ぐ、保管中のゲパルト自走対空砲50両をウクライナに提供する用意があるとドイツ国防省に打診しましたがこれは断られました。

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Source

https://mil.in.ua/en/news/the-german-defense-industry-is-offering-marder-ifv-and-pzh-2000-acs-to-ukraine/

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