ラインメタルの次世代戦闘車両Lynx KF 41

Photo Rheinmetall

ドイツの防衛・軍需企業Rheinmetall(ラインメタル)は複雑化する軍事作戦、予測不可能な戦場の状況に対応するため、これまでにない、まったく新しい次世代戦闘車両「Lynx KF 41(リンクス)」を開発しました。

モジュールシステムを取り入れた車両

2018年に初めて公開されたLynxKF41は高い生存性、多様な環境への適応性を実現した車両です。今の歩兵戦闘車のほとんどが1990年代に設計されたものになり、 現状の複雑な戦闘環境に適していません。今日の脅威である電子戦、爆破攻撃、ドローン攻撃などに対応するためにも、防御力、機動力、および人員の負荷を軽減する必要がありますが、これらの要件を満たす柔軟性は持ち得ていません。戦場の複雑な運用要件を満たすために、歩兵戦闘車は戦場の状況に適応するには環境によって装備が追加変更できるモジュールシステムが必要とされます。その点、Lynx KF 41のプラットフォームはモジュール式の設計になっており、広範囲のパーツを柔軟に設置、交換が可能で、状況や任務要件に合わせて攻撃、防御両面において装備を変更できます。

バリアント

Photo Rheinmetall

モジュールシステムは、共通の駆動モジュールと柔軟なミッションキットシステムを利用して、1つのプラットフォームでIFV(戦闘車両)、装甲兵員輸送車、指揮車両、回収車両、救急車として利用可能な多様車両を実現します。別の構成へのモジュール変更は、8時間以内で可能。ベース車両の共通性を活かしたこのシステムにより、車両のライフサイクル全体のコストを大幅に削減し、状況に応じた車両の変更、車両自体の改修を極力無くした形で新しい機能を手頃な価格でタイムリーに開発したりできるようになります 。

モビリティ

Lynx KF41は、1155馬力(1140hp)のLiebherrディーゼルエンジンと実績のあるRenkトランスミッションを備えた最新世代の推進技術を採用しており最大速度は時速70km/h。機動性を損なうことなく、さまざまなミッションキットを搭載できます。基本装備時の重量は約44トンになり、将来的な発展に備えて最大6トンの予備ペイロードを残しながら、26hp/tの高い出力重量比によりクラス最高のモビリティを実現しています。

武装

車両の容量は18トンになり、IFVの基本武装は軽量のランス2.0砲塔、35mmの電動Wotan35キャノンを装備、発射速度は毎分200発。上部にはRheinmetall7.62mm機関銃が配備され、7.62×51mmNATO弾薬を発射でき、1分間に800発の最大発射速度を持っています。オプションで対戦車誘導ミサイル発射装置も搭載できます。このほか、120mm砲を搭載した軽戦車モデルの「Lynx120」があります。

APC(Photo Rheinmetall)

装甲兵員輸送車(APC)の場合は、上部の7.62mm機銃に車内には兵士を輸送するための後部座席が9つ。多目的使用に対応するために、タレットの両側に2つのミッションポットがあります。この2つのポットには、ミサイルランチャー、UAV(ドローンコントロールモジュール)、電子戦などの他のパッケージ組み込むことができます。

防護

装甲は、対戦車兵器、中口径弾薬、グレネード、爆弾から保護するように設計されアクティブ保護システムにより対戦車ミサイルに対しアクティブに対応することもできます 。モジュール式の生存システムは、弾道および地雷保護パッケージを必要に応じて交換でき、クラスター弾薬に対する屋根の保護など、あらゆる種類の脅威が考慮されています。

Lynx KF 41はハンガリー軍が2021年に採用しており、オーストラリアとスロバキアの次期IFVの最有力候補になっています。

Source

https://www.rheinmetall-defence.com/en/rheinmetall_defence/systems_and_products/vehicle_systems/armoured_tracked_vehicles/lynx/index.php

広告
最新情報をチェックしよう!