ロシア国防省はウクライナで鹵獲したとされるウクライナ軍ドイツ製歩兵戦闘車マルダー1A3を映像で公開しました。
The Russian Ministry of Defense showed a captured German Marder infantry fighting vehicle.
— Ignorance, the root and stem of all evil (@ivan_8848) April 1, 2024
Video: Russian Ministry of Defense pic.twitter.com/ZmzBT1iZN9
ロシア国防省は3月26日火曜、ウクライナでほぼ完璧な状態のドイツ製マルダー歩兵戦闘車を鹵獲したと報告しました。この歩兵戦闘車はロシア軍が2月中旬に占領したウクライナ東部ドネツク州アウディウカのセヴェルノエ村近くでウクライナ軍が放棄したいったものと国防省は述べています。マルダーはその後、ロシア軍に回収され、ロシア領内へと運ばれ、ロシア南部ロストフで列車輸送されるのが目撃されています。
そして、4月1日、ロシア国防省はこのマルダー歩兵戦闘車の鹵獲を決定づける動画を公開します。マルダーはほぼ完全な状態で鹵獲されてましたが、多少の損傷はあり、ロシア国内に運び修理されます。ロシア国防省によれば、損傷した燃料と冷却システムのラインの交換、ラジエーターの修理、燃料ポンプの交換など、車両を稼働状態に戻すために国内のエンジニアが細心の注意を払って修理、そのおかげで、マルダー自走可能な状態に修復されました。「車両は完全に作動しており、事実上すべての要素と部品が期待どおりに作動しています」と述べています。今年2月の時点でドイツはウクライナに90両のマルダー1A3歩兵戦闘車を供与。これまで少なくとも12両が損傷ないしは破壊されたことが確認されていますが、鹵獲は今回が初となります。
マルダー歩兵戦闘車
マルダー歩兵戦闘車は1970年代から西ドイツ軍で運用されていた機械化歩兵の主要車両です。乗員3人と6名の兵士を搭乗させることができます。武装にはMk.20 Rh202 20mm機関砲と7.62mmMG3機関銃、フランスとドイツの間で開発された対戦車誘導ミサイルシステムMilanを搭載。正面装甲は200mの距離から20mm~25mm弾を、側面は7.62mm弾、榴弾の破片を防ぎ、ソ連製のBMP-1/2歩兵戦闘車と比べると遥かに防護力が高くなっています。ドイツのショルツ首相は2023年1月にウクライナへの軍事支援としてマルダー歩兵戦闘車の提供を発表。3月に最初の車両が提供されると、6月までにラインメタルの倉庫から20両、ドイツ連邦軍の倉庫から20両、計40両がウクライナ軍に納入されます。更に同月に追加で20両を提供することも発表します。更に同年8月に40両を追加することを発表。計100両のマルダー歩兵戦闘車のウクライナへの供与を約束します。
ウクライナに供与されているマルダーはかつてドイツ連邦軍で使用され、退役していたマルダー1A3モデルです。ドイツ軍ではマルダー1A5が現役ですが、後継のプーマ装甲歩兵戦闘車に更新が進んでいます。