ロシアの戦車護衛車両BMPTターミネーターの撃破を始めて確認

ロシアの戦車護衛車両BMPTターミネーターの撃破を始めて確認
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2月9日、ロシア軍の対人戦用の戦車護衛車両BMPT、通称”ターミネーターと呼ばれる戦闘車両の撃破がウクライナで確認されました。2022年5月頃にウクライナ戦線への投入が確認されてから初めての撃破記録です。

ウクライナ東部ルハンシク州クレミンナで撮影されたとされる映像では静止した状態のBMPTが単騎で映し出されています。反撃、移動する様子が見えないので、故障、若しくは既に攻撃によって移動できない状態で、乗員も死亡ないしは退避したものと思われます。何度か砲撃を受けたのち、砲塔が爆発炎上し、完全に大破します。映像はウクライナ海軍の第1 独立偵察大隊のドローンによって撮影され、ドローンによる観測のもと着弾地点を修正しているようなので攻撃は榴弾砲かもしれません。画像や映像として公式に記録に残るBMPTの破壊はこれが初です。

BMPTターミネーター

BMPTは戦車護衛車両と呼ばれる戦闘車で、戦車を護るために開発された車両です。戦車は市街地や森林など見通しの悪い場所においては身を隠す歩兵に対し非常に脆弱で、1990年代のチェチェン紛争でロシア軍はチェチェン軍兵士の対戦車兵器によって多くの戦車を失いました。そこで小回りの利く歩兵戦闘車を投入するも装甲が脆弱で直ぐに打破されます。それらの経験から戦車と同程度の装甲と対人戦闘力を併せ持つ車両としてBMTPを開発。シャーシにはT-72、またはT-90戦車を利用。武装には2基の30mm自動機関銃2A42、そして同軸の対人用PKTM 7.62mm機関銃、対戦車用に対戦車誘導ミサイルAtaka-Tランチャーユニット2基が取り付けられています。市街地戦では戦車2両に対しBMPT1両が随伴するのが基本運用で、戦車を歩兵から護衛します。

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ターミネーターと呼ばれるロシアの戦車護衛車両BMPT

ジャベリンやNLAWなど歩兵が携行する対戦車兵器による戦車の被害が多くなったことでロシア軍は2022年5月に初めてウクライナにBMPTを投入します。しかし、投入後にウクライナの戦場でBMPTが目撃されることはほとんどありませんでした。その理由として、BMPTは2021年時点ではわずか9両しかなかった車両で第90機甲師団にしか配備されていませんでした。その希少性もあって、目撃情報が少ないと共に、前線へは出し惜しみされていた可能性があります。しかし、年が明けて以降、BMPTがやたら頻繁にSNSなどに登場するようになります。ロシア軍関連のSNSはBMPTが戦闘する様子を投稿、ロシア国営メディアもルハンシク州に展開しているB M P Tを取材するなど、B M P Tの戦闘能力の高さを誇示するような戦闘映像がいくつか見られようになり、それらを通して東部の前線に投入されているのは確認されていました。これは昨年までは見られなかった光景です。

BMPTの破壊力を示すことでウクライナ側を牽制する目的もあるかもしれませんが、うがった見方をすれば、希少なBMPTを前線に投入せざる負えないほど、ロシア軍の車両が不足しており、切羽詰まっている状況の表れともとれます。

しかし、そうやって前線に出し続けたことで、今回、初めてBMPTが撃破されることになります。これまでの経緯から最初の一両の破壊が確認されると、その後は立て続けに破壊や鹵獲される傾向があります。希少なBMPTターミネーターは今後も前線に出続けるのでしょうか。

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