90mm砲も搭載できるトルコの4輪機動装甲車両「Akrep II」

Photo Otokar

トルコの軍需企業Otokar(オトカ)社は2021年8月、同社が開発する歩兵高機動装甲車両AkrepIIシリーズのディーゼルバリアントである新しいモデル「Akrep Ⅱd」を発表しました。機動性と生存性を高め、且つ、最大90mm口径の武器を搭載できるモジュラー構造を取り入れるなど、軍が求める全ての需要を満たす車両になります。

Otokar Akrepとは

オトカ社はトルコ最大の産業コングロマリットのひとつであるコチ財閥のグループ企業の一つでトルコを拠点にバスや軍用車両の開発製造行う車メーカーです。1980年代からイギリスの軍用版ランドローバーをライセンス生産する形でトルコ軍に車両を提供していきました。1990年代にはランドローバーの製造で培った技術をもとに自社開発に乗り出し、1994年に登場したのがAkrepです。トルコ語でスコーピオンを意味するこの歩兵機動車は優れた機動性と防護力を備え、監視、偵察、警備車両、武器プラットフォームとして堅牢で信頼できる機能を提供。トルコ軍をはじめNATO、国連へのサプライヤーとして、これまで10カ国以上に採用されています。

AkrepⅡ

2019年4月にはトルコ初の電気機動装甲車AkrepⅡが登場。 そして、2021年8月にはそのディーゼルエンジン版Akrep ⅡD が登場、ハイブリッドエンジンを搭載したモデルもあります。Akrep IIはシルエットが小さくなり、機動性、生存性が向上。全長は5.5m、幅は2.5m、高さは1.8m。車両総重量(GVW)は13,500kg。車高は低く、シルエットも小さい、その上、静音、放熱が低いため、一定のステルス性を有しています。電気駆動の場合はその特性はさらに高まります。また、補助電力を使うことで、静止状態ながら電気光学センサーシステムを長時間使用可能になり、隠密での前方監視ミッションにおいて効力を発揮します。

全輪駆動システム、独立サスペンション、シリアルパワーパッケージのおかげで、AKREPIIは泥、雪、水たまりなどあらゆる地形条件で優れた機動性を発揮します。ステアリング、加速、ブレーキなどのシステムの主要な機械的コンポーネントが電子制御されており、車両の遠隔操作、運転支援システムを使用することにより自動運転も可能にします。車両の最高速度は110km / hで、最大航続距離は約250km。

90mm砲を搭載できる武器ステーション

AkrepⅡの最大の特徴は4輪機動車両ながら軽戦車並みの90mm砲を搭載できる点です。AKREPⅡは、さまざまなミッションに対応できるように開発されており、ルーフトップにある武器ステーションはさまざまな兵器システムを統合でき、監視、偵察、対車両、防空などのさまざまなタスクをこなします。搭載する火器には7.62mm機関銃、12.7mm重機関銃、25mm機関砲、そして90mm砲があり、90mm砲は直接及び、間接射撃が可能。最大射程は6km、最大12発を車両に搭載します。

防護機能

車体は低いですが、MRAPに対応しており、IED、地雷から乗員を保護します。発煙弾ランチャーを搭載、オプションで消火システム、CBRNを追加できます。乗員に360度の視界を提供するカメラとミラーを備えつけられ全方位を視認。。クーラー完備で高温多湿の環境で搭乗する乗員の疲労を軽減します。また、寒冷用に暖房用のヒーターも組み込まれています。車両には運転手、指揮官、砲手にプラス3人を搭乗させることができます。

Source
https://www.otokar.com.tr/news/daily-news/otokar-expands-its-akrep

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