GM、米陸軍のハンヴィーの後継に静音戦術車両を開発

© GM Defense LLC

アメリカの自動車メーカー”ゼネラル・モーターズ(GM)”の子会社で、軍事車両を開発生産GMディフェンス社は先日、開催された米国陸軍協会 (AUSA) の年次総会で次世代戦術車両のプロタイプである静音戦術車両を発表した。

10月14日から16日にかけて開催されたAUSAでGMディフェンス社は次世代戦術車両のプロトタイプである静音戦術車両を発表した。この車両にまだ、名前はないが、GMが生産する商用車のピックアップトラック「シボレー シルバラード 2500HD ZR2」をベースにしている。現代の戦場の変化に対応するために設計された進化型車両の最大の特徴がディーゼルエンジンと電動モーターを組み合わせたハイブリットエンジンで、2.8リッターのDuramaxターボディーゼルエンジンと、12モジュールのバッテリー パック、および静音走行と静音稼働を可能にする前後車軸の独立した電気駆動モーターの組み合わせだ。ハイブリットエンジンは燃費を向上させて走行距離を延ばすだけではなく、大量の電力を発電し蓄電する。ディーゼルエンジンを始動させることなく電力で駆動させる事で長時間の静かな走行、静かな監視を行う「サイレントドライブ」と「サイレントウォッチ」を実現。インフラが乏しい前線では移動式発電機としても機能する。また、低音響および低熱シグネチャにより、車両が検知されにくくなり、高いステルス性能を発揮する。

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車両はもちろん装甲化されており。防弾レベルなどはまだ明かされていないが、ハンヴィーで露呈した、即席爆破装置IED、地雷に対する脆弱性に対し、乗員を守る防爆機能が強化されている。安全機能に関しては横転防止機能、アンチロックブレーキ、電子安定制御、障害物の回避から、車内から敵やドローンの接近の兆候がないかを確認できる360度カメラが搭載される。この他、装甲の追加機能、無人操作を可能にする自律走行技術の搭載が計画されている。

車両は実績ある商用車をしていることもあり、メンテナンス効率が高く、軍用インフラに限定されない部品の調達が可能。汎用性も高い。2人乗り、4人乗り、6人乗りのキャブ構成で提供される予定だ。

進むHumvee(ハンヴィー)の更新

米陸軍および米海兵隊の主力車両であったハンヴィーは2001年のアフガニスタン戦争ではIEDやRPGロケットランチャーに対して脆弱性があらわになり、乗員に多くの被害を出した。米軍は2005年にハンヴィーの後継車を開発するJLTV計画をスタート。2015年8月にオシュコシュ社の開発したL-ATVがJLTV車両として選択され、18,000台を発注、既に1万台以上が納入されハンヴィーとの置き換えが進んでいる。しかし、まだ、米陸軍には州兵の分を含め12万台のハンヴィーがあり、陸軍はこれらの車両の何台を交換、維持、または近代化するかを検討している。

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