ポーランドの次世代歩兵戦闘車Borsukがついに配備!ウクライナ戦争で加速した近代化

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ポーランド国防省は2025年12月、陸軍向けに開発を進めてきた新型歩兵戦闘車「Borsuk(ボルスク)」の最初の量産車15輌を正式に受領した。ポーランドが長年にわたり使用してきた旧ソ連製BWP-1(BMP-1)の全面更新につながる一大転換点であり、同国の防衛産業が独自に開発した近代IFV(Infantry Fighting Vehicle)がついに実戦部隊へ配備されることになった。

Bojowe wozy piechoty BORSUK wchodzą na wyposażenie Wojska Polskiego

この初納入は、ロシア脅威を念頭に国防強化を急ぐポーランドにとって象徴的な出来事だ。同国は近年ウクライナ支援で多数の旧式車両を提供しており、陸軍の戦力再構築とNATO基準の装備への統一は急務となっていた。Borsukはその中心的存在となる。

Borsuk(ボルスク)歩兵戦闘車とは

BorsukはポーランドのHuta Stalowa Wola(HSW)を中心とする国内企業連合が開発した純国産の水陸両用歩兵戦闘車だ。開発は2014年から本格化し、ポーランド陸軍の将来装備の基盤となる「UMTP(Universal Modular Tracked Platform)」を採用することで、指揮車、偵察車、回収車、医療型など多様な派生型に発展可能な設計となっている。

最大の特徴は、冷戦期に導入されたBWP-1が抱える火力・防護力・機動力の弱点を総合的に克服した点だ。NATO標準に完全対応する設計となり、ポーランドが「ソ連式兵器体系からの決別」を果たす象徴的な車両と位置づけられる。

今回納入された15輌は、2025年3月に締結された初期量産契約(111両)の第一陣に当たる。今後2025〜2029年にかけて、残りの車両が順次ポーランド陸軍へ引き渡される見込みだ。ポーランド国防省は、需要総数を最終的に数百輌〜1,400輌規模と見積もっており、Borsukは今後20年以上にわたりポーランド陸軍の標準IFVとして主力を担うとみられる。

ウクライナ戦争以降、ポーランドは欧州でも突出したペースで防衛力を強化している。韓国製K2戦車やK9自走砲の大量購入、米国からのM1エイブラムス戦車・HIMARS・F-35導入に加え、国産装備開発も並行して加速中だ。Borsukはその中でも「国産開発」の旗艦プロジェクトとなっている。ポーランド政府は国内調達比率の上昇を最重要目標としており、Borsukの量産は数千人規模の雇用を生むとされる。

また、ウクライナ戦争が示した「機動力と生存性の高いIFV」の必要性から、ポーランドが近代的な歩兵戦闘車を本格配備することはNATO全体の東側防衛ライン強化にも直結する。今回の初納入はポーランドの装甲戦力近代化の大きな前進だ。Borsukは今後10〜20年にわたりポーランド陸軍の主力IFVとして定着し、欧州の地上戦力バランスにも大きな影響を与えると見られている。また、ウクライナ戦争が示した「機動力と生存性の高いIFV」の必要性から、ポーランドが近代的な歩兵戦闘車を本格配備することはNATO全体の東側防衛ライン強化にも直結する。

ポーランドの次世代歩兵戦闘車Borsukがついに配備!ウクライナ戦争で加速した近代化
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