ロシア軍がいよいよターミネーターことBMPTをウクライナに投入か

ロシア軍がいよいよターミネーターことBMPTをウクライナに投入か
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ウクライナ国内で撮影されたとされるロシア軍のBMPT戦闘車の映像がSNSに出回りました。ウクライナ侵攻においてBMPTの確認は初になります。BMPTは通称”ターミネーター”と呼ばれる対人戦用の戦車護衛車両です。

撮影された場所はウクライナ東部ルハンスク州のセベロドネツクとされます。映像の画質は悪いですが、複数のBMPTが通過する様子が映し出されています。車体にある「V」のマークから、車列はロシア海軍歩兵の部隊になると思われますが、BMPTはロシア陸軍中央軍管区の第90機甲師団に配備されておらず、同師団のBMPT 8両が2月22日に列車でウクライナ国境地帯に輸送される映像が確認されています。

戦車を護るために開発された車両

BMPTは戦車護衛車両と呼ばれるもので、戦車を護るために開発された車両です。今回のウクライナ侵攻ではロシア軍は既に1000両以上の戦車を失ったとされますが、その多くがジャベリンやNLAWといった歩兵が携行する携行式対戦車兵器になります。陸の王者と言われる戦車ですが、市街地や森林など見通しの悪い場所においては身を隠す歩兵に対し非常に脆弱で、1990年代のチェチェン紛争でロシア軍はチェチェン軍兵士の対戦車兵器によって多くの戦車を失いました。そこで小回りの利く、歩兵戦闘車を投入するも装甲が脆弱で直ぐに打破されます。それらの経験から戦車と同程度の装甲と対人戦闘力を併せ持つ車両としてBMTPを開発。シャーシにはT-72、またはT-90戦車を利用。武装には2基の30mm自動機関銃2A42、そして同軸の対人用PKTM 7.62mm機関銃、対戦車用に対戦車誘導ミサイルAtaka-Tランチャーユニット2基が取り付けられています。市街地戦では戦車2両に対しBMPT1両が随伴し、戦車を歩兵から護衛します。

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ターミネーターと呼ばれるロシアの戦車護衛車両BMPT

9両しか確認されていないBMPT

BMPTは2005年に試験用の車両がロシア軍に納入されていましたが、採用には至らず、調達が決まったのは2017年とだいぶ後になります。最初の車両は2018年4月にロシア軍に配備され、テストが開始。2020年12月に第90機甲師団に配備され、2021年に9両からなる最初のBMPTの部隊が創設されます。ロシア軍は計12両の生産契約を結び、現状配備確認されているのは第90機甲師団に配備されている9両のみになり、その内8両がウクライナ国境地帯に運ばれました。5月に入り、劣勢に立つロシア軍は最新のT-90M戦車を投入するなど、なんとか盛り返そうとましたが、その虎の子のT-90Mも破壊されるなど戦況は悪化の一途辿っているとされ、温存していたBMPTを投入したことから、ロシア軍の焦りが垣間見えます。

Source

https://mil.in.ua/uk/news/rosiya-kydaye-v-bij-proty-ukrayintsiv-bmpt-termynator/

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