韓国軍は国境地帯での6ヵ月間の国家試験を経て、新しい多目的無人地上車両 (UGV) を北朝鮮とのDMZ(非武装)地帯に正式に配備を開始した。韓国軍が採用する初めての無人地上車両になり、広範囲な国境地帯を監視・警備する。
開発元の現代ロテムは2020年11月に韓国防衛事業庁から韓国陸軍向けに二両のUGV開発提供する契約を締結。2021年7月に韓国軍に提供され、さまざまな地形での遠隔運転能力と、オフロードを自律的に運転する能力の運用試験が行われていた。
この車両はHR-Sherpa UGV (6×6マルチロールデュアルユース)のプラットホームから派生したモデルで大きさは全長2.7 m、幅1.7 m、高さ0.9 m。重量はベースライン構成で1.6トン、最大積載時で最大2トン。最大4キロメートル (2.4マイル) 離れた画像をリアルタイムで検出できるカメラが搭載されている。武装には5.56mm機関銃を搭載した遠隔操作武器ステーションと200キロ (440ポンド) 以上の貨物を運ぶことができる貨物パックを備えている。UGVの6つの車輪にはすべてインホイールモーターが搭載されており、それぞれの車輪が独立した6輪駆動で1~2個のホイールが破損しても、残りのホイールの力で持続起動が可能で、エアレスタイヤ(Airless Tire)適用で険地を移動したり、攻撃を受けてもパンクが出なくて機動力を維持できる。360度回転機能を備え、最高時速30キロで走行する。
今年の元旦には民間人が国境を越えて北朝鮮へ越北する事件があったが、監視員は誰も気づかず、把握したの監視カメラを確認した3時間後だった。国境を超える事件は北朝鮮、韓国双方から度々起きており、一部地域では監視兵員の不足が課題となっている。UGVは国境地帯の監視を補う兵器システムとして今後、機能していく。
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https://www.hyundai-rotem.co.kr/PRCenter/News_View.asp?idx=4040