ウクライナ軍は1カ月でM2A2ブラッドレー歩兵戦闘車の3割を失った

ウクライナ軍は1カ月でM2A2ブラッドレー歩兵戦闘車の3割を失った

ウクライナ軍はアメリカから供与されたM2A2ブラッドレー歩兵戦闘車の内、約3割を失ったことが分かった。

ウクライナ軍とロシア軍の損失を分析するオープンサイトソースOryxの調べによれば、ウクライナ軍は7月17日時点で少なくとも35両のM2A2ブラッドレー歩兵戦闘車を失っている。内訳は15両が破壊、16両が損傷、4両が損傷の上、放棄された。これは、アメリカから供与された総数の約3分の1を占める、アメリカは今年1月にウクライナへの軍事支援として保管されていた古いM2A2ブラッドレー歩兵戦闘車50両の提供を発表。その後、数は増え、最終的に109両がウクライナ軍に渡っている。そして、ウクライナ軍がM2ブラッドレーを本格投入したのは6月初めに始まった大規模反攻作戦からになる。つまり、僅か1カ月で30%の戦力を失ったことになる。その多くはロシア軍がばら撒いた対戦車地雷によるものだ。米陸軍の機甲部隊の主力であるM2ブラッドレーは2000年代のアフガニスタンやイラクでの戦争で地雷やIEDに弱いことが指摘され、改修を実施。2014年に就役したM2A3と2022年にM2A4では対地雷防御が強化されているが、ウクライナに渡ったM2A2はそこが改修されておらず、それが露呈した形だ。

しかし、乗員の生存率は高いとされ、地雷の直撃を受けながらも乗員は軽傷で済んだいう話もある。ウクライナが多数保有するソ連製装甲車の場合はこうはいかず、人命を優先してM2ブラッドレーを積極的に前線に投入した結果だという見方もある。同じく、地雷に強い対地雷/伏撃防護装甲車のM1224 MaxxPro(MRAP)も、これまで55両を失っている。ウクライナ軍は35両のM2A2ブラッドレーを失ったが、既にアメリカは約50両の追加支援を表明しており、損失分は補填されることになる。そもそも、アメリカは2000両以上のM2ブラッドレーが倉庫に眠っており、損耗戦になってもまだ提供できる余力はある。

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