中国で開催れている軍事防衛展示会”中国国際航空宇宙博覧会”でお披露目された「FK-3000防空システム」。トラックシャーシベースの自走ミサイルシステムになるのだが、なんと96発という驚異的な数の防空ミサイルを搭載している。
FK-3000は中国のFK-1000、FK-2000の系譜を継ぐ自走式の近距離対空防御システムで現在開催中の中国国際航空宇宙博覧会で初めてお披露目された。トラックシャーシベースの車体はFK-1000の拡張版にも見え、ロシアの近距離対空防御システム「パーンツィリ-S1」にも似ている。
FK-3000には短距離対空ミサイル4発を装填したミサイルランチャーが車体の両サイドに各12基、計24基も搭載されている。つまり、96発もの対空ミサイル搭載していることになる。これだけの対空ミサイルを搭載する地上を兵器を知らない。ガンダムやマクロスセブンといったまさしくアニメの世界の物量だ。
対ドローンを目的に開発
Today Odessa was again attacked by Shahed-136 kamikaze drones, which Russia got from Iran. Ukrainian army mastered to successfully land Russian aircraft, and these drones will follow. For that Ukraine needs more Western modern air defense systems. Drone launcher video below. pic.twitter.com/jZvYupj2IR
— Maria Avdeeva (@maria_avdv) September 25, 2022
”戦争は数だよ”とはよく言ったものだが、これだけのミサイルを1台に搭載する必要があるかと思われるが、これは対ドローンを目論んだ防空システムになる。ウクライナとロシアの戦争を見て分かるように両軍ともに多数のドローンを戦場に投入している。それも、これまでの偵察目的から、攻撃兵器、そして自爆ドローンとしても戦果を上げ、戦時におけるドローンの脅威は高まった。これらを迎撃するために両軍ともに高価な戦闘機を飛ばしたり、対空ミサイルを使用している。しかし、安価で大量生産が可能なドローンに対し、費用対効果は悪い。また、1機あたりの防空システムに搭載できるミサイルの数はせいぜい多くて8発、複数のドローン、いわゆるスォーム攻撃をされるとそれを全て防ぐ術がないのが実情だ。実際、ウクライナはロシアの自爆ドローンによる都市への一斉攻撃に対し、防ぎきることができなかった。
新型ミサイルを搭載
FK-3000は96発というという驚異的な対空ミサイルを搭載することで、ドローンのスォーム攻撃に対応する。搭載されるミサイルは新型になり、細かいスペックは開示されていないが、直径40mmとグレネード弾と同等の直径と小型で安価になる。その分、威力は小さくなるが、ドローンだけではなく巡航ミサイルも迎撃できる威力はあるらしい。前モデルのFK-2000で搭載されていたミサイルは最大距離10km、高度8kmの標的を迎撃できた。FK-3000の迎撃範囲は終末誘導に限られるようなので、FK-2000より射程は狭まることになるだろう。
また、小型ドローンを検知、鳥などと識別できるレーダーが搭載されるようだが、それについてのスペックは全く明らかにされていない。