ロシアがBMD-4M戦闘車に対空ミサイルを搭載した空中投下可能な防空システムPtitselovの開発完了を発表

ロシアがBMD-4M戦闘車に対空ミサイルを搭載した空中投下可能な防空システムPtitselovの開発完了を発表
Rostec

ロシアの国営防衛企業Rostecはグループ会社のJSC精密工学設計局(KB Tochmash)が空挺部隊用(VDV)のBMD-4M歩兵戦闘車に9M340Sosna-R短距離防空ミサイル(SAM)を搭載した空中投下可能な防空ミサイルシステムの開発が完了したことを発表しました。この車両は「Ptitselov(プチツェロフ)」と呼ばれています。

空挺車両BMD-4Mをベースにした兵器

BMD-4
mod russia

PtitselovはBMD-4M歩兵戦闘車のシャーシをベースに開発されています。BMD-4自体は空挺部隊(VDV)用にパラシュートを使って輸送機から空中投下が可能なように設計された車両で2004年に就役。BMD-4Mはその改良型で2016年にロシア軍に就役、防護能力やエンジン出力が向上しています。最大速度は70km/h、水陸両用で水上を10km/hで移動します。砲塔には30mm機関砲2A72と100mm滑腔砲2A70を搭載、100mm砲は対戦車ミサイルも発射可能と強力な武装を備えていますがPtitselovではこの砲塔を取り外し、短距離防空ミサイルシステムの9M340 Sosna-Rを搭載しています。

9M340 Sosna-R

9M340 Sosna-R
KB Tochmash

Sosna-Rは全長130mm、重量30kg、最大射程10km、高度5kmの短距離対空ミサイルです。ミサイルは破片弾頭で最大速度マッハ2.6で飛行、レーダーとレーザー誘導の他、弾頭にはカメラが搭載されており、車両のオペレーターがモニター越しに遠隔操作することもできます。Ptitselovの砲塔は360度回転し、最大90度の角度で標的を設定、レーダーの検知範囲は最大30kmで射程範囲に入ったヘリコプター、ドローン、戦闘機、ミサイルを迎撃します。戦闘モジュールには12発のミサイルが搭載、全弾発射後、12分で再装填できます

Ptitselovは当初の計画では昨年に開発を完了する予定でしたが、ウクライナ侵攻の影響により、開発が遅延、1年遅れで完成しています。現在はまだ評価試験の段階であり、この車両が今すぐウクライナの戦線に投入されるということは無いと思われます。

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