エチオピアでは半年で111輌もの戦車が戦闘で失われました

エチオピアでは半年で111輌もの戦車が戦闘で失われました
Photo TPLF

2020年11月、北アフリカのエチオピアで勃発したエチオピア軍とティグレ人民解放戦線(TPLF)の衝突で始まったティグレ紛争は、発生から約1年が経ちました。The Fijian ArmadilloはSNSやニュースなので映し出された破壊または放置、捕獲など無効化されたエチオピア政府軍の戦車の写真の統計を今年の7月3日から取り始め、その数は12月7日までの間に111輌に上りました。この数はあくまで写真や映像で確認できる数の統計になるため、実態はもっと多いかもしれません。

最も多く破壊されたのはソ連が開発したT-55/54s戦車になります。半世紀以上経つ戦車ですが、戦車版のAK-47と言われ、アフリカといった途上国では数多くのT-55/54が現役で配備されています。政府軍は1990年代にT-55/54を1200輌も保有していました。とはいえ稼働率は30%程度だったらしいので、今では、さら下がっている思われ、稼働できるのはせいぜい100~200輌程度ではないでしょうか。破壊された車両の中には追加装甲と反応装甲が追加、改良されたT-55AM2とT-55AMBも含まれています。

T-62は100輌ほどがあったとされており、その内41輌が破壊されているので、損害率は40%とかなり高いものになっています。

政府軍が保有する戦車でもっとも新しいものがウクライナから購入したT-72シリーズのT-72B1になります。これをエチオピア軍は215輌保有。この内26輌が破壊されています。 T-72B1はT-72Bからレーザー誘導型対戦車ミサイル発射機能を排除した簡易型ですが、複合装甲を追加、新型のV-84-1(840馬力)エンジンを搭載するなど、防御、機動力が追加されたT-72になり、現在のエチオピア軍の主力戦車です。

正規軍であるエチオピア政府軍は戦車、重砲、軍用ドローン、航空機を駆使して攻撃を行っており、 TPLFとの戦力差は歴然であり、昨年11月にはTPLFの拠点、ティグレ州の州都メケレ制圧し、終戦宣言が出されましたが、TPLFはその後もゲリラ戦を展開、2021年6月にメケレを奪還。戦闘は激しさを増しており。今後も戦車の被害の数は増えることになるでしょう。

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