戦車の砲弾の最大搭載数は?

  • 2020年9月29日
  • 2020年9月29日
  • 戦車
戦車の砲弾の最大搭載数は?
写真 イギリス陸軍 チャレンジャー2

強固な装甲を待つ戦車は陸上戦の主役で戦闘が始まれば最前線に立つ。強力な主砲で敵に大打撃を与える。火力は大事であり、砲弾は数が多ければ多いほど良いと思ってしまう。実際、戦車にはいくつの砲弾が搭載されているのか?

平均は40発代

一般的な歩兵が携行する小銃の弾丸数は120発から240発とされている。マガジンは大体30発入りなので4~8個のマガジンを携行することになる。多ければ多いほど荷物の重量は増し、機動力が下がるので持つ数には軍によって基準があったり、経験によって差がある。戦車の場合は強力な馬力で数多くの弾丸を搭載できるが、車体内に納めるため、収容力に限界がある。搭載数は戦車の大きさや構造によって異なってくる。

イギリスのチャレンジャー2は49発、イスラエルのメルカバが48発、アメリカのM1A2エイブラムス、ドイツのレオパルド2、ロシアのT-14アルマータは42発、フランスのルクレールは40発。我ら陸上自衛隊の10式戦車はというと、いくつくが説があるが最大は40発といわれている。10式戦車は他国の戦車と比べて小型なので数多く搭載できない。昔の戦車は主砲が小さかったため、今よりも多くの弾丸が搭載でき、M60パットンは60発搭載していた。しかし、見てお分かりのように最新の戦車の搭載数はどれも40発台と実は各国戦車間で砲弾数の差は小さい。

搭載数は重要ではない

戦車の主砲は小銃とは違い連射ができない。速射が一番早いといわれるT-14アルマータで1分あたり11〜12発射だ。そもそも戦車はその場に留まって連続して撃ち続けることはあまりない。撃てば直ぐに移動する。なぜなら砲撃することで居場所がばれ、反撃を受ける可能性が高いからだ。最新の戦車は射撃制御システムに各種レーダー・センサーを使って正確な射撃が行える。さらに徹甲弾や榴弾など状況に合わせた複数の砲弾を所持しており、一撃必殺で相手仕留める。多くても数発で十分だ。自走砲や榴弾砲のように大量の砲弾を使用して絨毯砲撃は行わない。一度の戦闘で消費する弾の数は限られている。

搭乗員の命を守るための設計も影響している。古い戦車はむき出しの砲弾が車内に置かれ、誘爆して乗員が犠牲になった。最新の戦車は弾薬庫と乗員のエリアが完全に分けられている。仮に誘爆しても爆発が外に逃げるように乗員を護る工夫がなされている。また被弾をなるべく防ぐため弾薬庫は極力小型化されており、多くの弾丸は搭載できない。

弾丸少なくなっても現在は兵站システムも整っており、戦車と共に大抵、弾薬補給車が随伴する。弾薬が尽きても、少し後方に下がるだけで直ぐに弾薬が補充できる。わざわざ、車体重量が重くなる、誘爆の危険がある程の弾丸を搭載する必要がない。

戦車は日々発展しており、未来の戦車は逆に砲弾を増えるかもしれませんし、今よりも減るかもしれません。

戦車の砲弾の最大搭載数は?
最新情報をチェックしよう!
>戦車の情報を中心に発信するワールドタンクニュース

戦車の情報を中心に発信するワールドタンクニュース

戦車、戦闘車、装甲車といった世界の軍の地上車両のニュース情報を発信します。

CTR IMG