プーチンはT-90Mを最強戦車と絶賛するも実際は20両以上が破壊

プーチンはT-90Mを最強戦車と絶賛するも実際は20両以上が破壊

プーチン大統領は13日火曜日、親ロシア派の軍事ブロガーらとの懇談会を開催。ウクライナ軍の大規模な反転攻勢を受ける中、ロシア軍が依然として優勢を維持していると主張し「T-90M戦車が世界最強の主力戦車であることが確認された」と述べました。しかし、実際のところは既に多数のT-90Mが破壊されています。

プーチン大統領は国内の世論対策として政権寄りで、ウクライナへの特別軍事作戦に賛同する親ロシア派の軍事ブロガーを招待し、懇談会を開きました。プーチンは大規模反転攻勢に出たウクライナ軍に対し、「どの戦線でも成功していない」と言及。更に、ウクライナの戦線に投入されているT-90M戦車について「現在、T-90 Mプラルィヴは世界最高の戦車と言える。戦闘位置に着けば、誰にも何にもチャンスは残されない。より長い射程から正確に砲弾発射する。保護性能も優れている。」と述べました。

T-90M戦車は2021年にロシア軍に配備されたばかりの新鋭戦車で、ウクライナ侵攻前、T-90MはアメリカのM1A2エイブラムスも凌駕し、戦車では最強と評価すると人もいました。最大射程5kmの2A82-1M125mm滑腔砲の精度は30%向上、Kalina射撃統制システムによって照準は自動補正され、劣化ウラン弾の「ヴァクーム1」、榴弾の「テリニク」は遠隔操作で起爆させることができ、誘導ミサイル弾の「スプリンテル」は飛翔中に軌道を修正できます。装甲にはRelikt爆発反応性装甲の最新バージョンを搭載、ソフトキル・アクティブ保護システムのShtora-1は敵の赤外線照準をうけると赤外線誘導を妨害、煙弾を撒き対戦車ミサイルを妨害。データリンクによって他部隊からの情報もリアルタイムで連携されます。車体重量は48tと軽く、最大速度70km/hと機動力も高く、生存性も高いと評価されていました。

だが、実際、これは誇大評価、カタログスペックだったようです。T-90Mが昨年4月頃にウクライナに初めて投入が確認されると、その翌月には対戦車ロケットによって破壊される様子が公開されます。オランダのオープンソース情報ウェブサイト「Oryx」の分析によれば、この初撃破の確認からこれまで、少なとも22両のT-90Mをロシア軍は失っています。侵攻前に20両ほどしかなかったとされているので、初期車両は全滅した形です。高い生存性も今のところ発揮できているようには見えません。そもそも、T-90はT-72戦車のアップグレード版で砲弾が砲塔の真下に格納、誘爆すればビックリ箱です。プーチンは昨年12月に200両のT-90Mの増産を発表しており、新規で生産された車両も投入されていますが、そもそも、経済制裁によって高度な部品が輸入できておらず、電子機器欠如、スペック通りの保護システムが機能していない推測されています。

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ただ、これらの情報はブロガーも発信していないでしょう。親ロシア派のブロガーは基本、ロシアの肯定的な情報しか発信しておらず、どちらかというと国と一緒に世論を操作する側です。ただ、プーチンは「無人機や現代的な兵器が足りない」とも発言しています。実際、最近のロシア軍は旧ソ連時代の兵器を多数呼び戻しており、それらは時間が経過する度にどんどん古くなっており、現在は1950年代の兵器が投入されています。さすがにこの点はプーチンも認めざるを得なかったのかもしれません。

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