ウクライナに登場にロシア軍の珍兵器「亀戦車」

ウクライナに登場にロシア軍の珍兵器「亀戦車」

ウクライナの戦場に全身を装甲で覆った奇妙な車両が登場しました。これはウクライナ軍の自爆ドローンに手を焼く、ロシア軍の苦肉の策です。

ウクライナ軍の自爆ドローンの攻撃に悩まされているロシア軍は、あの手、この手で自爆ドローンから車両を護る方法を考えています。しかし、どんなに車両をゲージなどで覆っても、小回りの効くドローンは隙間を狙って攻撃してきます。そこで、今回、ロシア軍は思いつきました、車両全体を装甲版で覆ってしまえばいい、亀装甲です。

ウクライナの戦場でドローンによって撮影されたロシア軍の車列。4台のこの車列の先頭にいる奇妙なフォルムのした車両が今回、確認された亀装甲を施した特殊車両です。この車両を先頭に砲撃の中、車列は戦場を進んでいきます。途中、1台が攻撃によって脱落したのか、3台になりましたが、亀装甲のおかげか、3台は開けた戦場を突破し、去っていきました。

この亀装甲の車両はT-72戦車とされています。実際、この装甲を施したT-72が確認されています。しかし、お分かりのように戦車にこのような装甲を施せば、戦車の能力の多くが失われます。まず、回転砲塔。戦車には360度回転する回転砲塔が備わっていますが、このような装甲で覆われれば、主砲が回転時にあたってしまうため、砲塔は前方だけに固定されることになります。そして、なにより致命的な点は視界が失われる点です。この装甲では恐らく左右の視野は遮られており、前方しか確認できないと思われます。そのせいなのか分かりませんが、映像を見る限り、車列は戦場を右往左往しているようにも見えます。亀装甲は戦場での状況認識、攻撃、機動性を大幅に制限するのは明らかです。映像を見る限りは、おそらく、移動時のみの装備かと思いますが、司令部主導なのか、現場の判断で付け焼刃で施した装甲なのか不明です。

ロシア軍はこの前にも新しい保護装備を備えた戦車を公開しています。偽装ネットで車両全体を覆い、砲塔上部には自爆ドローン対策のケージ装甲、そして、その上には8つの円筒形アンテナを備えた新しい電子戦ステーションを搭載しています。電子戦能力も備えた戦車になり、戦車の周囲のあらゆる通信周波数を妨害することを目的としており、戦車に近づくドローンの通信を妨害、遠隔操作を不能にし、ドローンの接近を防ぎます。一部の情報筋によると、この電子戦システムは最大1.5kmの距離にあるドローンを検知し、最大1kmの範囲内で無人機を無効化します。総出力800〜1200wのドローンを妨害するように設計されています。しかし、このドローン対策した電子戦戦車も、物理的な損傷をしたのか、戦場に放棄され、皮肉にもドローンによって破壊されています。

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