韓国が次世代戦車K3の開発が始動!世界初の水素燃料電池を採用

©Hyundai Rotem

韓国の軍需企業”現代ロテム”は、次世代戦車「K3」のプロトタイプ開発に着手しました。このK3は、ディーゼルエンジンと水素燃料電池を組み合わせた世界初のハイブリッド型複合戦車として構想されており、ステルス設計と人工知能(AI)の活用が大きな特徴となります。

韓国メディアの報道によれば、現代ロテムは、国防科学研究所(ADD)が主導する次世代戦車開発事業への入札を計画しており、その準備を進めています。特に、政府が2029年まで4年9ヶ月間にわたって推進する次世代戦車用ハイブリッドパワートレイン技術開発事業には、主管企業として参加しています。これは、50トン級以上の装軌式戦車に搭載される並列型パワートレインの開発と検証を目的とした事業で、総額412億ウォン規模の投資が行われます。このうち政府が300億ウォンを支援し、現代ロテムが112億ウォンを出資する形です。

水素燃料電池を核とした動力システム

K3戦車の最大の特徴は、水素燃料電池を基盤とした動力装置です。開発初期段階では水素とディーゼルの混合型方式が採用されますが、2040年頃には完全な水素動力体制への移行が計画されています。水素燃料電池は、従来のディーゼルエンジンと比較して騒音と熱信号を大幅に削減し、これにより戦車の生存性を飛躍的に高めることが期待されます。また、燃費効率に優れ、環境負荷が低く、整備が容易であるため、運用コストの大幅な削減にも貢献すると見込まれています。性能目標としては、戦闘重量55トン以下、道路走行時の最高速度時速70km以上、航続距離500km以上が掲げられています。

世界最高水準のパワーパックを目指して

この事業の目標は、出力において世界最高水準、具体的には米国が開発中の次世代戦戦車「M1E3エイブラムス」に搭載されるパワーパックを凌駕する1500馬力級の製品を確保することです。政府関係者は、米国が先行して次世代戦車用パワーパックを開発している現状を鑑み、少なくとも最高水準に追いつくことで、2030年以降に本格的に開花する次世代戦車市場をある程度先取りし、ひいては海外戦車市場でのシェア拡大を目指すという戦略的判断を示しています。

攻撃能力強化

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K3は、主砲をK2の120mmから130mm滑腔砲へとアップグレードします。自動装填装置を備えた130mm滑腔砲は無人砲塔に搭載され、AI搭載射撃制御装置により最大5km先の目標物まで精密に攻撃することが可能です。さらに、8kmの射程を持つ対戦車誘導ミサイルによる視界外交戦能力を備え、12.7mmから30mm口径まで複数の武器を装備できる遠隔操作兵器ステーション(RWS)も搭載されます。

高度な防御と状況認識能力

防御面でも、K3には多様な最新技術が結集されています。レーダー吸収塗料と車体突起を最小化したステルス設計により、敵の探知網を回避する能力が向上しています。乗員は車体前方の分離された装甲空間に搭乗することで、砲塔や弾薬庫の被撃時でも安全が保障されます。多層的な防御システムとして、アクティブ保護システム(APS)、熱追跡ミサイルを妨害する指向性赤外線妨害装置(DIRCM)、ドローン妨害装置などが適用されます。さらに、新しいセラミック複合装甲の採用により、防護力は一層強化されています。乗員の状況認識能力と戦闘効率を最大化するため、360度仮想現実(VR)システム、砲塔搭載偵察ドローン、自律走行機能も搭載されます。

K3戦車は、2030年代に試作品を完成させ、試験運用を開始することを目標としています。

Source

https://www.hyundai-rotem.co.kr/ko/business/defense/details.do?productNm=%EC%B0%A8%EC%84%B8%EB%8C%80%20%EC%A0%84%EC%B0%A8

https://www.g-enews.com/article/Global-Biz/2025/07/202507161027091377fbbec65dfb_1

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