2020年現在、最強の戦車はどれかといわれると、それはおそらくロシア連邦軍のT-14アルマータ(Armata)だ。各国の主力戦車の中でも最新で2014年から試作車の製造が始まり2021年から量産が開始される。攻撃力、防御力、電子システムなど全てにおいて優れており、リモート操作も可能な唯一の第四世代主力戦車だ。T-14アルマータ主力戦車のどこが凄いか紹介する。
武装・攻撃力が凄い
T-14には地上、空中の全てターゲットに攻撃できる最新の兵器と射撃管制システムが搭載されている。
主砲
主砲は125mm滑腔砲2A82-1M。砲塔に搭乗員はおらず射撃は全て車体下部の操縦席からリモートで行われる。射程距離は5kmで自動装填装置を装備し1分あたり11〜12発射する。砲弾の最大搭載数は45発で内32発を自動装填機内に搭載している。主砲はNATOの120mm滑空砲と比較して、バレルエネルギーが増加し、発砲精度が向上している(平均18〜20%)。さらに大型の152 mm 滑空砲2A83に簡単に換装でき、装甲貫通能力は大幅に向上するが、125mmで十分すぎる貫通能力を擁している。主砲からは発射型対戦車ミサイル3UBK21「スプリンター」が発射でき、これは対空戦闘能力もゆうしている。
照準は車体の各種レーダー・センサーによって検知と追跡され、ターゲットの正確な座標と武器のガイダンス、弾道データが提供される。その他GLONASS(衛星測位システム)によるナビゲーション情報、角加速のジャイロスコープ、風速情報、外部環境の温度と湿度、および発砲時のバレル振動といったデータが含まれており、精度の高い射撃を実現している。これらのデータは戦術データリンクに統合化されており、ドローンや偵察部隊など近くの味方からの情報もリアルタイムで共有されている。
機関銃
12.7mmKord対空機関銃は最大1.5 km離れた空中の高速移動物体に命中させる能力をもっている。これはタンクのアクティブ保護システムに接続されており、レーダーや赤外線探知機から信号を受信して遠隔操作によって操作され、対戦車ロケットを迎撃することができる。もう一つの7.62mmPKTM機関銃も遠隔操作可能でこれは地上の兵士を倒すことを目的としている
防御・装甲が凄い
T-14の最大の特徴としてユニバーサルプラットフォームの使用がある。通常、車長や砲手は砲塔にいるものだが、砲塔に人はおらず、砲塔・弾薬区画から離れた最も装甲の厚い正面下部の装甲カプセルの中に三人の搭乗員が乗っている。これにより様々な攻撃から搭乗員を保護することができる。
車体と砲塔の全面には複合装甲とアクティブ保護システムの「Afganit(アフガニト)」を装備。 アフガニトはアクティブ電子スキャンアレイ(AESA)レーダーによって車輛に近づく飛翔体を検知、子爆弾で飛翔体を破壊または爆破、発煙弾で敵の誘導システムを遮り、飛翔体をかわす。その他、車体と砲塔の主要部に爆発反応装甲Malachite(マラカイト)を装備するなど多重構造になっている。車体後部のエンジン部分には対戦車ロケットRPGなどから保護するケージ装甲が追加されている。
レーダー・センサーが凄い
T-14には最新型の戦闘機にも使われているアクティブフェーズドアレイ (AFR) 型のアンテナを備えたレーダーが使用されている。レーダーは砲塔に設置され、四方4つのパネルで構成されており、全方位の視界を提供する。このレーダーは20個以上の空中目標と40個以上の地上目標を同時に検知する能力を持っており、検出距離は100 km。レーダーは向かってくる発射体の軌道を検出することで敵の位置を把握することもできる。得られた座標を射撃管制システムに送信することで敵の発射地点に高精度に反撃することができる。航空機については航空機の座標と飛行軌道を算出し、他の防空システムに送信される。
ズベズダ 1/72 ロシア軍 T-14 アルマータ 主力戦車 プラモデル ZV5056
ドローンを搭載
自律レーダーと赤外線カメラを備えた無人航空機「Pterodactyl」を搭載しており、車体から射出して偵察を行う。
ステルス機能
T-14には敵のレーダーに映らないようにするステルス技術をそなえている。車体内部から特殊な断熱コーティングが施し、マスキング排気分配システムによって熱検知を防ぎ、特殊な車体の形状によって拡散反射によるレーダー反応を減少させる。船体の外側に特殊な塗料を塗ることでレーダーによる検出を大きく下げている。
その他スペック
車体は48トンと他国の主力戦車と比べると軽量(自衛隊の10式は44トン)。乗組員は基本3人だが、全ての操作がコックピットで行え遠隔操作も行えるため無人でも運用は可能。エンジン出力は 1600馬力。舗装道路での最大速度は90 km/h、オフロードでも70〜75km/hと高速移動できる。走行距離は舗装道路で500km。