ドイツのラインメタルはウクライナにレオパルト1戦車50両を提供する用意がある

ドイツのラインメタルはウクライナにレオパルト1戦車50両を提供する用意がある
Photo Bundeswehr

ドイツの軍需企業ラインメタルは保管されているかつてのドイツ連邦軍の主力戦車である”レオパルト1A5“主力戦車50両をウクライナに提供する用意があると同社のCEOは述べています。

ラインメタルは最高経営責任者であるアーミン・パッパーガー氏は、ウクライナへの支援として、同社が保管するレオパルト1主力戦車50両を提供する用意があるとメディアのインタビューに答えており、ドイツ政府の承認が得られれば、最初のバッジを6週間以内にウクライナに納入し、残りは3か月以内に配送可能だと述べています。現在、同社ではレオパルト1の保管状態など技術的な確認を行っています。

レオパルド1とは

レオパルト1は第二次大戦後としては初めてドイツで開発生産された戦車になります。1950年代に開発が始まり、1965年に西ドイツ軍に採用された第二世代の主力戦車です。主砲はL7 105mmライフル砲になり、副武装として7.62mm MG3機関銃を搭載。砲弾の搭載数は60発で砲塔に18発、車体に42発搭載しています。最高時速65km/h、航続距離600kmと機動性も高く、第二次大戦時に戦車大国として名を馳せたドイツ製ということもあり、6000両以上が生産され、12か国以上に採用されるなどベストセラーとなります。2003年にドイツ連邦軍では全て退役していますが、ギリシャ軍やトルコ軍、ブラジル軍などで未だ1000両以上が現役です。退役したドイツも少なくとも100両のレオパルト1を保管しているとされます。

懸念

保管されているのはドイツ軍の最終形態とされるレオパルト1A5になります。これは赤外線カメラなど光学機器が近代化されており、視界、命中率が向上しています。しかし、いくつか懸念があります。ウクライナ軍の主力戦車はほぼソ連製ベースであり、レオパルト1は系統はこれまでの戦車と全く異なる点です。しかし、古い戦車ということもあり、デジタル化がほとんどされておらず、操作はほぼ機械式であるため、訓練が比較的少なく済むとも言われています。もう一つの懸念は車両が古い点です。ロシア軍の戦車は125mm滑腔砲を搭載する第三世代のT-72、T-80、T-90が主力であり、正面からやり合っては歯が立ちません。しかし、ウクライナ軍は同様の105mm砲を搭載する古いT-64BVを運用していますが、正面からではなく地の利を活かした戦術でロシア軍に打撃を与えています。レオパルト1は古い戦車ではありますが、戦術次第では十分に活躍できるでしょう。

ただ、ドイツ政府は未だに車両の提供にOKを出しておらず、レオパルト1が提供されるかどうかはまだ不透明です。

Source

https://www.handelsblatt.com/politik/deutschland/waffenlieferungen-rheinmetall-bietet-der-ukraine-panzer-des-typs-leopard-1-an/28244314.html

https://www.t-online.de/finanzen/news/unternehmen-verbraucher/id_91999358/rheinmetall-will-bis-zu-50-leopard-1-panzer-in-die-ukraine-liefern.html

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