トルコの装甲車メーカーBMCは、同社が生産するトルコの主力戦車アルタイ（Altay）のディーゼルエンジンおよびトランスミッションシステムの供給について韓国の斗山コーポレーションおよびS＆Tダイナミクスと協力協定を結びましたす。アルタイ戦車のパワーパックは韓国製に切り替えられます。
ドイツの協力を打ち切られ生産が遅延
アルタイ戦車は、2007年にトルコが立ち上げた初の国産主力戦車開発計画であり、長年使用されてきたM60戦車を一挙に置き換えることを目的に始まりました。オトカが開発を行い、BMCが生産を行います。当初の開発計画はレオパルト2A4を開発したドイツとの共同開発でした。トルコは2005年以降から中古のレオパルト2A4戦車300輌以上をドイツから購入しており、アルタイはレオパルト2A4を参考に開発。外観もレオパルト2A4に近く、主砲、動力システム、装甲などをドイツから導入することを計画していました。
しかし、ドイツとの政治関係が悪化し、その計画は破談となります。きっかけはトルコが2016年にシリア戦争に介入したことです。そこで、クルドを弾圧したため、ドイツはトルコとの軍事協力をキャンセルします。ドイツのMTU社はディーゼルエンジンを、レンク社（RENK）はギアボックスの供給を中止。 これによりアルタイ戦車の開発計画はほぼ麻痺してしまいます。そこでBMCはレオパルト2A4の車体とアルタイの砲塔を組み合わせたハイブリッド戦車を開発するなど苦肉の策を打ち出しますが、根本的な解決ではありませんでした。
写真 トルコ国防省トルコは、ドイツのレオパルト2A4戦車の車体と国産のアルタイ戦車の砲塔を組み合わせたハイブリッド戦車を発表した。🇹🇷 Modernize Leopard 2A4 tanki (devami) Modern[…]
韓国企業の協力を得る
そこで、韓国企業に救済を求めます。アルタイ戦車は韓国軍の主力戦車である”K2ブラックパンサー”も参考にしていました。さらにK2はアルタイと同様にエンジンとトランスミッションに関する問題を抱えていた共通性がありました。
写真 トルコ国防産業局トルコ初の国産新世代主力戦車アルタイの生産が遅れている問題で、トルコの軍関係者と生産するトルコの軍事企業のオトカ社の開発チームは韓国企業に救済を求めるべく交渉を進めている。アルタイに致命的な欠陥が発[…]
トルコのBMCは、韓国の斗山コーポレーションおよびS＆Tヘビーインダストリーズとパワーユニット用のディーゼルエンジンとギアボックスを提供することで合意に達しました。BMCの関係者は、すべてがうまくいけば、統合は18か月以内に完了する可能性があると述べています。
アカデミー 1/35 韓国軍 K2戦車 ブラックパンサー プラモデル 13511
しかし、韓国の新しい戦車であるK2 ブラックパンサーもドイツからの技術サポートを受けており、それをトルコに提供することは、ライセンス的に問題がある可能性があります。そこで、ドイツの輸出許可の制限を回避するために、韓国の企業は関連する箇所を非ドイツ化することでその問題をクリアすることを検討しています。ただ、これが本当に解決になるのか、ドイツのライセンスをクリアできるのかは不透明であり、問題が解決されたわけではありません。
Source
https://www.sozcu.com.tr/2021/dunya/altay-tankinda-anlasma-saglandi-6303598/
https://www.defensenews.com/industry/techwatch/2021/03/08/at-long-last-turkeys-altay-tank-finds-an-engine-from-south-korea/