ウクライナ、鹵獲したロシア製T-72戦車の修理方法を生産元に尋ねる

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ウクライナは鹵獲したしたロシア製のT-72戦車の運用中に問題が発生したため、生産元であるロシアの工場に電話をし、修理方法を尋ねたとウクライナメディアのMilitarnyiが報じました。その時の電話の様子も動画で公開しました。

あるウクライナ戦車兵はロシアから鹵獲したT-72戦車を運用中に問題が発生し、動かなくなったため、助けを借りるために生産元に直接訪ねることにします。コチェヴニクというコードネームを名乗るウクライナ将兵は電話でT-72戦車の生産元であるロシアの戦車メーカーUralvagonzavod(ウラルヴァゴンザヴォド)のサポートセンターに電話。彼は流暢なロシア語で「私はT-72B3戦車の指揮官だ。今、我々の戦車が問題を抱えている。エンジンに欠陥があり、サスペンションも良くない。タンクから油が噴出し、コンプレッサーが故障している」と苦情を述べました。電話の相手はそれを受け、戦車の問題を設計局とエンジンメーカーに提起すると約束します。更にコチェヴニク氏はウラルヴァゴンザヴォドの工場の所長にも電話。同様に苦情を伝えると所長はWhatsAppメッセージで報告するよう伝えます。最初の相手も所長も電話の相手がウクライナ兵士とは気づきません。

コチェヴニク氏は電話の最後に身元を明かし「私はウクライナ第54機械化旅団の第2機械化大隊装甲機甲部隊K-2の指揮官だ。私たちがトロフィーとしてこれらの戦車をもっと受け取るときは、私たちが操作しやすいように改良してください。同意し​頂けます?。ありがとう、気を付けてください。ウクライナに栄光あれ。」と伝え、電話を切りました。

ウクライナはこれまでロシア軍から少なくとも550両の戦車を鹵獲しており、ウクライナへの国別の戦車の供与数では皮肉にも西側を押さえて最多です。もともと、ソ連連邦の構成国でソ連時代は戦車工場もあったウクライナはソ連/ロシア製戦車の構造については精通しており、ロシアから戦車を鹵獲しても問題なく修理運用することができます。とはいえ、既にソ連崩壊から30年以上が経過、ロシア独自の改修にウクライナも全ては把握できているかは分かりません。今回、問題あったとされるT-72B3はT-72シリーズの中でも新しいモデルで2013年に登場、ソ連崩壊後に採用されたT-90戦車に近い近代化改修が行われています。

しかし、今回、最後に捨て台詞を吐いたことからも、T-72B3の問題はウクライナ側で修理できなような代物ではないと考えられます。これまで80両以上のT-72B3を鹵獲していますが、これまでそのようなニュースは一度も入ってきていません。むしろ、ウクライナはロシア軍で実戦配備されている戦車では最も新しいT-90M戦車を修理し、戦線に投入しています。

Source

https://www.businessinsider.com/ukrainian-soldier-russian-tech-support-captured-russian-tank-wouldnt-work-2023-10

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