ウクライナ軍が鹵獲したロシア戦車の数は2つの機甲師団に匹敵する

これまで、ウクライナ軍は数多くのロシア軍車両を無傷に近い状態で鹵獲しており、その数は2個機甲師団に相当するといわれ、ロシアは侵攻開始からこれまでウクライナへの最大の戦車供給国でいつづけている。

ウクライナ北東部ハリキウにおける、ウクライナ軍の大攻勢により、ロシア軍は逃げるように敗走した。この時、ロシア軍が置いていった装備の中には200両の戦車、装甲兵員輸送車、歩兵戦闘車が含まれていたとされている。ロシア軍が装備を置いて逃げるのは今に始まったことではない。ロシア・ウクライナ戦争の戦果を監視するOryxによれば、侵攻開始から一か月後の3月時点で確認できるだけでウクライナ軍は122両の戦車を含む、370両の戦闘車両を鹵獲していた。この時点で一個機甲師団分の戦力に匹敵する。戦車の大部分はT-72、T-80になるが、比較的新しいT-90も含まれている。ハリキウでは先日、ロシア軍の最新鋭戦車であるT-90Mもほぼ無傷の状態で鹵獲された。

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その数は2個機甲師団に匹敵

そして、現在(2022/9/28時点)、Oryxの調べによれば、戦車の鹵獲数は395両に上っている。これはOryxがSNSなどの画像や映像を通じて確認できた数なので、実際はもっと多いとされる。これが、どれだけの戦力に匹敵するかというと、米陸軍の機甲師団は約400両の戦車が配備されており、米軍基準であれば1個師団相当。英陸軍の機甲師団は約160両の戦車になり、それに照らし合わせれば、2個師団分の戦力になる。装甲戦闘車は様々なタイプ700両以上を鹵獲、支援車両も多数鹵獲しており、随伴車両を含めて十分な装備を揃えた機甲師団を創設できるだけの数を鹵獲している。米英の諜報機関も鹵獲した戦車だけで2個師団を装備できると主張している。

ウクライナ軍はこれまでポーランド、チェコ、スロバキア、スロベニアなど旧ソ連製の装備を揃える国からソ連製戦車の提供を受けている。最大の提供国はポーランドになり、T-72、PT-91といった戦車240両以上をウクライナに送っているが、ウクライナがロシアから鹵獲した数はこれよりももっと多いわけで、ウクライナへの最大の戦車供給国は皮肉にもロシアということになる。

Oryxの統計によればロシア軍の戦車の喪失の3分の1は鹵獲されたものだ。ウクライナ国防省の発表によれば9月28日までロシア軍は2312両の戦車を失っており、もしその3分の1が鹵獲されたものだとすれば、その数は4個師団分に匹敵する。

Source

https://www.oryxspioenkop.com/2022/02/attack-on-europe-documenting-equipment.html

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