ウクライナ軍、鹵獲したロシアの最新鋭戦車T-90Mを早くも戦線に投入へ

ウクライナ軍、鹵獲したロシアの最新鋭戦車T-90Mを早くも戦線に投入へ
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9月にウクライナ軍に鹵獲されたロシア軍の最新鋭戦車T-90Mが早くもウクライナ軍に編入され、戦線に投入されているようです。

ウクライナ国防省が11月5日に公開した12秒の短い映像ではウクライナ軍の所属車両を示す、十字架のマークがペイントされた動くT-90Mが映し出されています。砲塔上にある遠隔操作ステーション(RWS)が見えることからこれがT-90Mであるということが分かります。

このウクライナ軍のT-90Mは9月のウクライナ軍によるハリキウ大攻勢の際に逃げるように撤退したロシア軍が置いて行った車両になります。残された車体は履帯が切れ、走行不能にはなっていたものの、それ以外はほぼ、無傷に近い状態でした。もちろん、これをウクライナ軍は鹵獲。

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ウクライナ軍はロシア軍の最新鋭戦車T-90Mを無傷で鹵獲

T-90Mはロシア軍が運用する主力戦車としては最新鋭で、まだ実戦配備されていないロシアの最新戦車T-14アルマータと同じ主砲、射撃統制システムとRWSが搭載されています。この車両を手にすることはロシア軍の最新の戦車技術、T-14の実際のスペックを知ることにも繋がり、てっきり研究分析のため、アメリカ・イギリスに渡ると思われましたが、鹵獲から2か月も経たないうちにウクライナ軍に編入されました。

もしくは既に研究分析を終えたもものベレンコ中尉亡命事件の時のように思った以上のスペックがなかったのかもしれません。

ベレンコ中尉亡命事件

Wikipedia

1976年9月に北海道で起きたソ連軍のパイロット、ベレンコ中尉亡命事件。アメリカに亡命を求めたベレンコ大尉は1970年に運用が始まった当時のソ連軍の最新鋭機MiG-25戦闘機にのって函館空港に着陸しました。冷戦下で東西の兵器開発が活発化するなから、アメリカはこの機体を超高速戦闘機として脅威に感じており、機体は分析のため茨城の百里基地に移送されます。しかし、分析の結果、中身は時代遅れのたいした事ない機体ということが判明。結局、機体は11月にソ連に返却されています。

この時のMig-25のように、T-90Mも分析の結果、もしかすると古いT-90戦車と対して変らないと判断されたのかもしれません。実際、ロシアの軍事専門家はT-90Mが鹵獲された際、「T-90MはT-90にRWSが追加、制御や操作が簡素化されたぐらいで、ベースはT-90とたいして変らない。新しいFCS射撃統制システム『カリーナ』も西側の射撃統制システムに何か新しい要素を加えるような技術はない」と言っています。T-90であればアメリカはシリアで既に手に入れており、ウクライナ軍は既に12両を鹵獲しています。専門家はT-90Mの鹵獲は喜ばしくはないが、超機密軍事技術のような情報はなく致命的ではないと述べていました。

T-90Mが鹵獲から2か月も経たずにウクライナ軍に編入されたことから、ロシアの軍事専門家が述べているのは正しいのかもしれません。

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