米陸軍が実験するエアレスタイヤ

米陸軍が実験するエアレスタイヤ
Photo US Army

アメリカ陸軍は熱帯地域での運用を想定して、非空気圧タイヤである”エアレスタイヤ”のテストを現在行っています。

テストが行われているのはアメリカ陸軍ユマ試験場とその試験センターになります。ここは世界中に展開する米軍があらゆる場所で機能し、任務遂行できること保証するために、地上戦闘兵器に関するほぼすべての機器を厳しい環境でテストを実施する施設です。施設内の熱帯地域テストセンター (TRTC) では、陸軍がジャングルの過酷な環境下で生き延びる事を保証するために日々、装備の試験を行っています。現在、ここで試験が行われいるのがエアレスタイヤの試験です。

1990年代から約30年に渡り、米軍の主戦場は南西アジアの乾燥した砂漠地帯になっていますが、世界の紛争の大半は密集したジャングル、数メートルの草が茂るサバンナといった条件を持つ熱帯地域で発生しています。このような状況下で米軍の戦闘車輛のタイヤ、車輪は正常に動作するのか、TRTCは実験行っています。

エアレスタイヤのメリット

ポラリスMRZR
Photo Polaris

最近行われたTRTCのテストでは、全地形車両のポラリスMRZRが使用されました。ポラリスMRZRは、近年アフガニスタン、イラクなどでSOCOMを始めとした米軍が使用している小型のオフロード車になります。荒地での高い走破性能とミッション指向性を持つ四輪駆動車です。 TRTCはMRZRのテスト中、標準タイヤの代わりに「Tweels」タイヤを装着させました。 「Tweels」はミシュラン社が製造するタイヤで、通常の空気入りタイヤのように機能するように設計された空気(エアレス)のないラジアルタイヤです。空気が入っていないので銃弾や砲弾によるタイヤのパンクを心配する必要がないという利点に加えて、Tweelsを利用することで兵士にとっていくつかの二次メリットが得ることができます。

一つはパンクを修理するためのスペアタイヤやジャッキ、材料を持ち歩く必要がないことです。これにより、車体の重量を軽くし、余剰スペースを作ります。また、常に空気圧をチェックすることもなく、メンテナンスも効率化されます。Tweelsはまた、複数の異なる地形タイプに適合する機能も備えており、標準タイヤの3倍の耐久性をもっており、また、多少、損走しても走行不可になることはありません。中南米のスリナムのジャングルの奥深くの土地で繰り返されたこれまでの車両テストでのTweelsの試験の評価は良好で、運用上の一定の評価を与えています。

デメリット

ポラリスMRZR
Photo Polaris

しかし、難点があります。タイヤは見てお分かりのように空洞が多い設計になっています。これで泥の中を走ると空洞に泥が入り込むとタイヤが重くなります。エアレスタイヤは一見軽そうに見えますが、実は通常のタイヤより重く、泥が入り込むと運転が難しくなります。雨季やスコールがある熱帯地域での運用においては課題です。これは雪でも同じです。

Source
https://www.army.mil/article/248984/airless_tires_undergo_punishing_tropical_testing

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