2K4 Filin|ドリルマシンではありません!ソ連の戦術ミサイルです

2K4 Filin|ドリルマシンではありません!ソ連の戦術ミサイルです
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『サンダーバード』のジェットモグラ、ウルトラマンシリーズに出てくるウルトラメカのドリルマシンにように見えるこの乗物。しかし、これはドリルマシンでではありません。2K4 Filin(フィリン)と呼ばれるソ連が開発した戦術ミサイルシステムです。

核ミサイルを発射するために開発された

第二次大戦後、ソ連はアメリカに対抗すべく、核開発を急速に推し進め1949年に核爆弾の開発を成功させます。核爆弾は主に爆撃機に搭載して、運搬投下することを想定して開発されますが、米国、西側領内まで爆撃機自体を侵入させること自体が戦略・戦術的に難しいことに気づきます。そこで、核爆弾を弾頭化してミサイルに搭載することを考案します。ソ連が核爆弾と合わせてもう一つ開発を進めていたのがミサイルです。第二次世界大戦が終わるとソ連はV2ロケットを開発していたドイツの科学者を集めてミサイル開発を急速に推し進め、1940年代の終わりからソビエトの専門家たちは地上部隊に配備するための戦術ミサイルシステムの研究を始めており、同じくして核弾頭を搭載した戦術核ミサイルの研究も始まります。

そして、1950年代に開発されたのが「3R2ミサイル」、NATOでは”FROG”と呼ばれます。ミサイルとは言っても無誘導でいわゆる地対地ロケットになります。核弾頭は小型化しても直径800mmと大きく重く、前身の3R1ミサイルに搭載できなく、核弾頭が搭載できるよう巨大化します。全長10m、重量約5トン、弾頭だけでも直径は850mm、重量は1180〜1200 kgありました。 射程は50kmを目指して開発されましたが、実際はその半分の20~25kmしかなく、今でいう短距離ミサイルです。そのため、ミサイルの運搬かつ、どこでも発射できる発射システムが必要になります。

そこで1955年から1957年にかけて開発されたのがミサイル発射システムの一つである2K4 Filin(フィリン)システムになります。

スペック

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2K4 Filinはソ連初の自走式ミサイル発射システムであった2K4 Marsに次ぐ発射システムで地上における戦術核ミサイルを運搬、発射するために開発されます。全長は9.33m、幅は3.07 m、高さは3m、ミサイルを搭載した状態での戦闘重量は40トン。シャーシはISU-152自走砲をベースにしており同じ無限軌道に520馬力の強力なエンジンは、ロケットなしで最高時速40〜42kmの速度で高速道路を走行することができました。ミサイルを搭載した場合は最高速度30km/hに低下します。ミサイルは3P2の他に、その後開発された3P3、3P4ミサイルも搭載できます。前部には兵器システムを操作するためのキャビンがあり、最大5人が搭乗できます。ミサイルの発射までには30分、また再装填には60分がかかります。

演習中の失敗により不採用に

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2K4 Filinは1958年に試験が完了、正式採用が決定します。しかし、同年行われた核弾頭での演習中に、点火装置の電波高度計が誤動作、核弾頭は意図した高さで起爆しなかったため、射撃場外の地域が放射能汚染されます。この失敗により、2K4 Filinの採用は見送りに。その後、後継の2K6Lunaが開発され、1959年に正式採用されます。

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