ドイツは最大178両のレオパルト1戦車をウクライナに送ることを承認

ドイツは最大178両のレオパルト1戦車をウクライナに送ることを承認
Leopard1A5(KMW)

ドイツ政府は火曜日に、軍需企業のRheinmetall(ラインメタル)社とFlensburger Fahrzeugbau Gesellschaft mbH(FFG)に、最大178両のレオパルト1戦車をウクライナに供給する許可を与えたことを発表した。

レオパルト1の提供はドイツのボリス・ピストリウス国防相が火曜日にキエフを訪問した際に発表された。これらの戦車はドイツ、オランダ、デンマークが保有し、保管されていた車両になり、レオパルト1の最終改修モデルであるA5になる。多くの車両は退役から20年近く経過しており、提供には修理やメンテナンスが必要で、これをラインメタルとFFGが行う。最終的に何両がウクライナに供給されるのかは不明だが、予定としては今夏までに20~25両、年末までに80両が納入される見通しだ。2024年初めには少なくとも計100両以上のレオパルト1がウクライナに配備されていることになる。既に100両以上のレオパルト2の提供も決定しており、夏には新旧のレオパルト戦車がウクライナの戦線に揃うかもしれない。

レオパルト1

ドイツのラインメタルはウクライナにレオパルト1戦車50両を提供する用意がある
Bundeswehr

レオパルト1は戦後ドイツが初めて開発生産した第二世代の主力戦車。1950年代に開発が始まり、1965年に西ドイツ軍に採用された。主砲は最大射程3000mのL7 105mmライフル砲になり、副武装として7.62mm MG3機関銃を搭載。砲弾の搭載数は60発で砲塔に18発、車体に42発搭載している。最高時速65km/h、航続距離600kmと機動性も高く、かつての戦車大国であるドイツ製ということもあり、6000両以上が生産され、12か国以上に採用されるなどベストセラーとなった。その系譜は現在のレオパルト2に引き継がれている。2003年にドイツ連邦軍では全て退役してるが、ギリシャ軍やトルコ軍、ブラジル軍などで未だ1000両以上が現役。退役したドイツも少なくとも100両のレオパルト1を保管していた。

懸念

A5はレオパルト1の最終形態の近代化モデルで、赤外線カメラなど最低限の光学機器は搭載しているが、それらはもう古く、これらがウクライナへの提供前に改修によって最新の機器に置き換えられるのかは今のところ不明だ。そして、最大の懸念が砲弾の確保だ。105mmライフル砲は既に西側の多くの国で使用されていないため、十分な在庫がない。米陸軍のストライカー装甲車M1128が105mmライフル砲を搭載していたが、2022年に全て退役している。100両以上ものレオパルト1の砲弾を賄うには少なくとも数万発の用意が必要であり、新たに生産ラインを確保する必要があるが、おそらく、夏の最初の提供時に工場は間に合わない可能性がある。

Source

Germany, Denmark and the Netherlands to send at least 100 Leopard 1 tanks to Ukraine

ドイツは最大178両のレオパルト1戦車をウクライナに送ることを承認
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